上田市と民間事業者8者が、環境省の第4回「脱炭素先行地域」の選定を受ける! ★「ローカル鉄道と市民がともに支え合う『ゼロカーボン×交通まちづくり』」の計画提案
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上田市と民間事業者8者は、環境省の第4回「脱炭素先行地域」の公募に、上田電鉄・別所線や沿線地区のゼロカーボン実現を目指す「ローカル鉄道と市民がともに支え合う『ゼロカーボン×交通まちづくり』」の計画提案を提出し、7日に選定された。
脱炭素先行地域は、2050年のカーボンニュートラルに向け、自治体などによる地域課題の解決と住民の暮らしの質の向上を実現しながら脱炭素への先行的な取り組みを、2025年までに100カ所ほど選定。
国が交付金で支援して2030年度までに実行、全国的に脱炭素地域社会を実現させる事業。
家庭など民生部門の電力消費に伴う二酸化炭素排出を実質ゼロにし、運輸部門や熱利用なども含めて温室効果ガス排出削減も実施する地域にする。
これまで3回の公募で、長野県内では小諸市など4市村が選定され、上田市で5カ所目。
第4回の公募では、全国から54の提案があった。
選定されたのは12提案で、1回目からこれまでに選定されたのは累計74提案。
上田市の提案の共同提案者は、上田電鉄㈱、NPO法人上田市民エネルギー、㈲和晃と㈱Ticket QR、上田商工会議所、八十二Link Nagano㈱、㈱八十二銀行、上田信用金庫、みやまパワーHD㈱。
対象エリアは別所線沿線と沿線の一部の自治会で下之郷、東五加、下本郷、中野、上本郷、十人や、沿線の公共施設、市有遊休発電適地。
住宅2207世帯、民間施設67施設、公共施設6施設。
6自治会が選ばれた理由は、公共施設や生活の拠点施設が集まっているエリアや別所線の運行で主要施設がある場所、乗降客数が多く、パークアンドライドのある駅があるため。
また、今回の事業の応募要件には、エリア内の使用電力を地域内で生み出す必要があり、エリアが限定された。
提案の取り組み内容は、鉄道軌道敷やため池、遊休地に2688kWの太陽光発電と大型蓄電池を導入。
住宅や民間施設には3249kWの太陽光発電と蓄電池、省エネ設備を導入。
指定避難所の公共施設や大学などにも太陽光発電や蓄電池の導入、省エネ改修などでエネルギーの自立化を促進。
鉄道用送電設備を活用しながら独自に約7㎞の送配電網を構築する。
平常時は、別所線に地域で生み出した再生可能エネルギーを供給してゼロカーボン運行を実現させ、災害時の対応力を強化、沿線自治会には別所線乗車時に使えるポイントを付与して別所線の利用促進、マイカー依存度を低減させることで、別所線の維持や住民の暮らしの質の向上を目指す。そのため、別所線運行本数を増便したいとしている。
事業のため地域エネルギー会社を市などが出資しながら新設するため、準備会を開き、来年度4月を目途に設立する予定。
2025年度から軌道敷などへの太陽光発電導入を進め、2027年度には別所線への再エネ供給を始め、同時進行で住宅や民間施設などの太陽光発電などの導入。
2029年度には別所線のゼロカーボン運行を行う計画。
推進のための交付金は「脱炭素先行地域づくり事業」で交付率3分の2、上限50億円、再エネ設備や基盤インフラ、二酸化炭素排出削減になる設備導入などに活用できる。
「重点対策加速化事業」の交付率は種類があり、市町村などの上限は15億円、自家消費型の太陽光発電や住宅・建築物の再エネ性能向上、ゼロカーボン・ドライブなどに活用できる。
独自の送配電網構築の事業についても交付金がある。支援期間はおおむね5年。
第4回の公募選定は狭き門だったが「ローカル鉄道の維持で住民も参加しながらゼロカーボン運行する」というインパクトがあり、計画が順調に進めば、別所線モデルとして他の地方鉄道などへの普及効果が期待される。
市では対象自治会や共同提案者、関係者と丁寧に対話しながら、事業を推進するとしている。
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本紙では、2022年1月1日から2月12日付まで5回シリーズで「2050年カーボンニュートラル」を掲載した。
脱炭素に向けてこの地域の電力の歴史からこれまでの再生エネルギーへの取り組みをまとめ、上田市の可能性として別所線を100%地域の再生可能エネルギーで運行することについて考察する記事も紹介。
この記事では、別所線運行のための電力は意外と大きくないため、太陽光発電と小水力発電などの組み合わせで、運行できる可能性はあるとした。
今回の事業提案を行う一助にもつながった。



