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水道事業の広域化、市民が判断できる資料、財政シミュレーション来月公表へ! ★<上田市議会9月定例会・一般質問>2024

テーマ:上田市ニュース

【水道事業広域化の検討で注目される染屋浄水場】

 9月上田市議会定例会は、一般質問の最終日の11日、8人が質問を行った。

 ◆齊藤加代美議員は、ドローンについて、災害活用を踏まえた消防団での導入状況や、武石地域で進めている活用から特区について質問。
 ◇倉島弘一・総務部長は「市では令和2年度に市内でドローン機器の販売、操縦技能習得の講習を行う有限会社・ヒカリと災害時応援協定を締結している。災害時のドローン活用を迅速に進めるため、応援協定先と緊急連絡網を整備し、防災訓練では映像伝送などの訓練を実施。消防団のドローン保有は6月末現在、5個分団に6機、各分団独自で保有。市として公費を投じて消防団にドローンを導入する計画はないが、有効性は承知している。今後、団本部と連携して研究したい。訓練場所については調整したい」。
 ◇酒井重雄・武石地域自治センター長は「武石スマートシティ実証プロジェクト事業で、3Dマップの作成、ドローン、トラクター自動運転の実証実験を行っている。ドローンは災害時の物資輸送、土砂流出土量差分解析の実験を実施、本年度は通学時の見守りや、水田の転作確認、災害を想定した農業用水の頭首工の確認を計画している。3Dマップを未整備地域で作成し、武石地域の居住エリアの約8割が3Dデータ整備済みになり、さまざまな用途でドローンの自動運転による活用が可能になる。令和7年度以降の社会実装を念頭に、民間企業と連携しながらドローンを活用した事業が展開できるよう環境整備を進める。ドローン特区は、武石地域は住宅密集地がないため、無人地帯で目視外飛行が可能で、特区の活用は想定していない。しかし、武石地域の成果を上田市全域に波及させることが可能か検証も重要で、その中で特区の有効性を検討したい」。 

 ◆井澤毅議員は、水道事業の広域化について市民が判断できる資料を示すことや、広域化しない場合にも染屋浄水場から塩田地域などへの給水を協議するかについて質問。
 ◇宮島裕一・上下水道局長は「判断材料となる上田市独自の財政シミュレーションは、最終の取りまとめをしており、完了次第、市議会や上下水道審議会、市民の皆さんに公表する予定。公表時期は10月中を目途として作業を進めている。市民の皆さんが比較、判断しやすいものになるよう、上田長野地域水道事業広域化協議会で策定を進めている基本計画案や財政シミュレーションの結果を踏まえながら、ご理解いただけるよう努める。説明は市ホームページに掲載、住民説明会を開催。最終的な判断時期は、今後の財政シミュレーションの結果や、上下水道審議会からの答申を受け、議員や市民の皆さんの意見を踏まえ、慎重に検討を進める。年度内を目標に決定したいが、あくまで目安。市民の皆さんへの十分な説明と、ご理解をいただき判断したい」。
 「(広域化しない場合の塩田、小泉、仁古田への染屋からの給水は)県企業局の見解として、上田市内の分割移管する場合、区域内の資産を有償譲渡することになり、上田市に大きな財政負担が発生。他の給水区域の長野市、千曲市、坂城町の水道料金に大きな影響があり、関係市町の同意も必要。大変困難な条件」。 

 ◆原栄一議員は、景観に関連して上田城跡公園で7月に崩落した尼ヶ淵の崖の一部への対処や旧市民会館の解体について質問。
 ◇佐藤安則・都市建設部長は「さらなる崩落を防ぐため、崩落箇所上部の樹木を緊急に伐採した。復旧対策は、長野県や文化庁との協議を始めており、崩落した土砂の撤去、崩落箇所を測量するための準備を進めている。専門家に助言をいただきながら検討したい」「旧市民会館解体工事の実施設計が完了し、文化庁へ許可申請に向けた協議を進めている。工事期間は1年半程度を見込んでいる。今年度中に工事契約の締結を目指し、来年度の千本桜まつり以降に本格的な工事に入る予定。解体後のがれきは、公園内に仮設道路を設置して搬出する予定」。 

 ◆松山賢太郎議員は、地産地消推進の店の認定制度をさらに推進し、どこの誰がどんな思いで作物を育て、それをどのように活用しているのかを各認定施設で分かりやすく説明し、SNSなどで積極的にPRすれば他の店舗との差別化を図れると提言。
 ◇北沢健治・産業振興部長は「地産地消推進の店は67店が営業している。市では今年度、推進の店と農産物直売所とのマッチングの機会を設け、生産と消費双方のご意見をいただきながら連携を推進していきたいと考えている」。

 ◆池上喜美子議員は、ヤングケアラーの実態について質問。
 ◇室賀久佳・健康こども未来部長は「昨年度実施した中高校生向けアンケート調査では、自身がヤングケアラーに当てはまると回答したのは278人のうち2人のみ。約半数が聞いたことはあるがよく分からない、または聞いたことがないと回答している。講演会の開催や各種会議での周知、広報への掲載などで正しい知識の習得と認知度の向上を図っていく」。

 ◆尾島勝議員は、水道事業広域化は住民のためのものにはなっていないとの立場で、広域化した場合の上田市内の送水管ルートや広域化するか否かの決定の仕方などを質問。
 ◇宮島・上下水道局長は「市内のアクセスルートは諏訪形浄水場から県道上田長野線三好町交差点、県営球場前、上田大橋の下流側で千曲川を横断し、右岸のしなの鉄道西上田駅南口前を通過し、坂城町境からは国道18号へ布設すると想定している」。
 ◇土屋陽一市長は「上下水道審議会に水道事業の今後のあり方について諮問し、審議をお願いしている。市単独か広域化かの判断材料となる資料を整え次第審議会にお示しし、市民説明会の開催や市民アンケート、パブリックコメントを行う。仮に広域化に取り組むと判断した場合は関係議案を上程し議会の判断を仰ぐこととなる。住民投票の実施については、市内には市営水道、県営水道、住民組合など行政以外により運営されている区域がある。それぞれ歴史的な経過や背景があるので住民投票で賛否を問うことは慎重に検討すべきと考える」。
 半田大介議員は、夜間中学や、年齢、国籍、社会的立場などに関係なく多様な人たちが共に学び、成長するインクルーシブでフレキシブルな学びの場「信州オープンドアスクール」について質問。

 ◆酒井秀樹教育長は「夜間中学は義務教育を修了しないまま学齢期を過ぎた人、不登校など諸事情で十分学べなかった人、日本の中学を卒業していない外国籍の人など、義務教育を受ける機会を保障する必要な学校。上田市民に一定のニーズがある。広域からの受け入れが求められることが想定され、県立での運営が望ましい」。
 ◇土屋市長は「市民ニーズを重く受け止めている。教員確保などさまざまな課題があり、市内に県立による設置ができないか、県に要望してきた経過がある。県教育委員会は市町村による設置を期待し、支援することを表明するなど状況が変化している。今後の動向を注視する。必要な対応は総合教育会議等で協議する」。

 ◆佐藤論征議員は、水道広域化に関連して、真田地域で平成26年11月に水道利用で地元が合意した「つちや」などの水利権について質問。
 ◇土屋市長は「水源の確保は地元関係者と協議を繰り返し、ご理解をいただきながら取得してきた。近年は真田地域のつちや水源、滝の入水源の取水について、大日向自治会と合意した。つちや水源は、地域の宝として、地元の皆さんが守り続けた貴重な財産。合意により、旧真田町時代からの悲願であった脆弱な水源の解消につながり、つちや水源からの給水が可能になったことは大変ありがたいこと。引き続き、真田地域簡易水道統合整備事業により、つちや水源の水を自然流下で供給する工事を計画的に進めている。大日向の先人の皆さんのご労苦や水への誇りを知り、今後、いかなることがあろうとも、『つちやの水は土屋が守る』との思いを自らに言い聞かせた。水への恩は、山より高く、海より深い。水利権については上田市として関与したい」。