書家で小諸市の成沢臨舟さん(90)が「長野県民文化部表彰」2024で「文化芸術分野功労者」として表彰される!
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書家で小諸市耳取の成沢臨舟さん(90)は、今年度の「長野県民文化部表彰」で「文化芸術分野功労者」として表彰された。
東御市出身で、本名は泰廣さん。
祢津小中学校を経て「上田高校卒(上田松尾高51期)」。
卒業後は、東京の大手医薬品メーカーで働いたが、子のために空気の良い地域で暮らそうと、40歳で小諸に移住した。
移住後は「アウトテリア」の会社で働き、定年まで勤めた。
生活と並行して、書道に力を注いだ。
原点は、小学校の皆勤賞として硯箱をもらったこと。
「自分の硯箱を持ったことがうれしくて、書道が大好きになった」という。
そして高校時代、周囲から書の上手さを褒められたこともあり本格的に書道を始め、学生の全国展で入賞するなど実力を発揮した。
社会人となっても、師の教えを受けながら、寝る間も惜しんで研鑽を積んだ。
書道展では、読売書法展読売俊英賞、謙慎書道展特選謙慎賞、県書道展県展選奨など、数多くの受賞歴がある。
長年の活動のなか、多方面で揮ごうの機会があり、小諸城址懐古園内や学校など地元にも多くの作品が残る。
また、小諸移住後は、仕事でも書に携わり住宅の表札などを手掛けている。
さらに、長年にわたり書道教育に尽力してきた。書道教室は各地で開き、市内外から数多くの弟子が通った。現在、自身で教えているのは自宅教室のみだが、他で開いてきた教室は弟子により継続している。
小諸市内3小学校でも長年指導。
全児童に名前入りのお手本を書くなど熱心に取り組んできた。
また、昭和59年から小諸市児童生徒新年書初め展審査員を務め、令和2年からは審査員長となった。
審査員の頃から担当している作品寸評は多くの児童に喜ばれている。
指導は、上手や下手という言葉で批評するのではなく、良い書になるような助言を心がけてきたという。
例えば、きれいな字を書くが書道展で結果を出せない弟子には「河川護岸工事で並べられたブロックと、懐古園の石垣、どちらが心を潤すか」と問いかけた。
それが、弟子本人の気付きのきっかけとなり、結果にもつながったという。
このほか教育的な活動として、小諸東中学校に15年3ヶ月にわたり毎月5000円の図書カードを寄付していた。
生徒のごみ拾いに感銘を受けて匿名で始めた活動だが、後に送り主が明らかになり、この寄付で購入された蔵書には成沢文庫という名がついている。
成沢さんは自身の書道について「最初は字が得意では無かったが、筆を持つことが楽しく、上達していった。しかし書道は芸術分野で、それだけに難しい。多くの先生方との付き合いでだんだん理解できるようになっていった」と振り返る。
今回の表彰を受け「大変喜ばしい。これで終わりということは無く、生涯自身の研鑽を続け、今いる弟子も育て上げていく」と話した。



