「水道広域化」の是非の答申「意見集約に至らず」 ☆上下水道審議会が上田市に答申
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「水道事業広域化の検討」のため、昨年11月に「その方針について諮問」を受けた「上田市上下水道審議会」は、13日「広域化について意見集約に至らなかった内容の答申」を、市役所で土屋陽一市長に行った。
水道事業広域化の検討は、上田・長野地域の「持続可能な水道事業経営に向けた基盤強化の手段」。
答申には渡辺ゆかり会長、内川伸生副会長が訪れた。
12回にわたる審議の結果について「水道事業広域化については、広域化する事業や広域化後の水道事業の姿に対する懸念等から慎重な意見が多い。
前向きな意見や判断が難しいといった意見もあり、将来にわたる重要な事案であることから、意見の集約まで至らなかった。
市民の中にもさまざまな意見があることを十分考慮の上、判断されることを要望する」とした。
☆答申内容4点の概要は
▽持続可能な水道経営=人口減少で水需要減少、老朽化する施設更新、自然災害への対応で今後多額な費用が見込まれ、経営環境の厳しさが増している。持続可能な水道事業経営に努め、将来にわたり公営企業の事業運営を強く要望する。
▽人材育成の推進=市単独や広域化に関わらず、人材育成が不可欠で、技術力確保は重要な課題。現状では人事異動などで専門性の高い人材育成が困難で、技術力を維持、向上させる整備が必要。採用も含めた新たな育成策の導入も積極的に検討されたい。
▽水道施設等の耐震化・老朽化対策=施設や管路の経年劣化が進行。計画的な老朽化対策を進め、適切な点検・補修による延命化を図り、施設の更新時に施設のダウンサイジング等も検討されたい。これまで上田市の投資が少なく、企業債を抑えたが、施設や管路の耐震化率が全国的に見ても低い。有利な国庫補助や企業債などを活用した積極的な投資で、確実に耐震化を進められたい。
▽水道事業の広域化=広域化は水道事業の基盤強化、経営健全化に有効な施策であることは理解する。一方、市民の中には組織が大きくなることで、目が行き届かなくなることを懸念する声もある。特にリスク対策やサービス水準の維持は市民生活への影響が大きく、デメリットとその対応策を検討し、判断されたい。財政シミュレーションが示されているが、判断する上では構成団体の一般会計出資金の負担割合などの明確化が必要。(国からの)補助金活用は有効だが、物価や労務費の高騰で、事業費が増大することを念頭に精査し、施設整備等の計画を策定されたい。
附帯意見として、仮に広域化を進める場合、将来世代との公平性のため的確な料金改定を行い、将来的には下水道も含めた広域化の検討、上小の周辺市町村の考えも聞き、質の高いサービスの維持に努め、周辺事業体との連携強化を求めた。
ほか、要望事項として、良質な湧水を地元関係者の意向を尊重して水源を将来にわたり守り続けること。
地元業者の確保・育成、塩田地域や仁古田・小泉地域から「染屋浄水場からの給水要望への実現検討」「広域化の協議内容について適時市民へのていねいな説明周知」-をあげた。
土屋市長は「長期間にわたり熱心に審議いただいた。答申内容を踏まえ、広域化には留意事項を念頭に置きながら、引き続き協議を進め、判断してまいりたい」とした。
渡辺会長は「広域化の大きな課題に、現状の課題、広域化した場合について多くの資料で検討したが、まずは資料を読み込み理解するのが大変で時間を費やした。今後のあの方について、もう少し十分な検討を重ねれば良かったと思うところがある。大きな課題で専門的なことが多く、委員の皆さんは慎重にならざるを得ず、難しさがあった。さまざまな意見があり、広域化後の事業形態がイメージできないことから不安がある方も多く、一方で基盤強化になるため参加すべきという意見もあり、意見集約が難しかった。市民説明会での意見から、委員の皆さんも広域化する判断には心理的にも大きな負担があったと思う」。
内川副会長は「今まで行政の皆さんのおかげで不自由なく水が飲めている。今回の広域化の議論で、改めて水道の重要さに気付く機会になったと思う。これからも当たり前に使える水道にしてほしい」とそれぞれ語った。
今後、広域化の是非については、上田長野地域水道事業広域化会議で進めている基本計画、次の段階の事業計画策定の中で、市として受け入れられるものかどうかを判断。
市として広域化が進められると判断した場合「最終的な決断は市議会」で行われる。
判断には、まだ年単位の時間がかかりそうだ。



