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上田市の「松山記念館」の収蔵品が「国の登録有形民俗文化財」へ! ☆松山犂の製作用具、製品541点

テーマ:上田市ニュース

【全国に普及した松山犂(手前)などの展示】
【犂製造の型板(手前)や鉋などの工具】
【明治に米国から輸入した帯鋸などの機械など】
【当時の製造現場の様子を展示した写真】



 上田市塩川の「公益財団法人・松山記念館」が保管する「松山犂(すき)の製作用具」や「製品」541点を、このほど開かれた国の文化審議会が「登録有形民俗文化財」に登録するよう、文部科学大臣に答申した。
 上田市内の登録有形文化財は建造物では複数あるが「民俗文化財では今回が初めて」。 今後の官報告示を経て、登録される。

 馬など畜力に引かせて田畑を耕す農具の犂の中でも松山犂は、明治期に上田市塩川・旧塩川村の松山原造氏(1875~1963)が考案した近代改良犂。
丈夫で扱いやすく、左右に土を反転する機能を発明して特許登録し、土を耕す犂先を鋳物の鉄から頑丈な鋼にした。
 また、畜力を伝える木部に、湾曲した自然木ではなく、製材した木を使った加工で量産製造。
 そのため購入者が使用して修理が必要になった場合でも、その部品を取り寄せることで使用者自身が修理できる特徴がある。
 東日本を中心に広く普及し、農業生産力の向上に寄与した。

 松山氏は現在の農業機械メーカー、松山株式会社(自社ブランド=NIPLO・ニプロ)の創業者で、旧大門村・現長和町大門の生まれ。

 松山記念館には、松山氏の日記などの文献を含め4300点の収蔵品がある。
 今回の登録になる収蔵品は明治34年から昭和38年ごろのもので、ほとんどが展示されている。
 登録対象になる犂は、自社開発や試作品が26点、松山だけでなく競合他社の犂が37点、発明の試作図面が21点。それ以外が製作用具。

 記念館は2代目社長の松山篤氏が、トラクターの時代になっても畜力時代の資料を残そうと、昭和60年に開館した。
 畜力の犂を製造していたメーカーで、当初からの資料を保存する全国でも他にない貴重な収蔵品のため、文化庁が調査に訪れて今回の登録への答申に至った。

 今回の登録答申について、記念館の田中壽子・学芸員は「長年の資料収集や保存、研究が登録につながったと思うと、とても嬉しい。この地域の産業なので、皆さんに見てもらいたい」と話していた。

 記念館は上田市塩川2874の1、開館時間は午前10時から午後4時まで。
 休館日は土日祝やお盆、年末年始。
 入館料は無料。
 問い合わせ(電話)0268・35・3650