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<トップインタビュー⑨>オルガン針㈱=上田市前山= 増島良介社長(64)「新たな価値創造でニーズに対応」

テーマ:ひと

 オルガン針㈱は1920(大正9)年に創業。
独自技術を持つ針造りメーカーとして歩みを続け、技術の研鑽に取り組んでいる。
  増島良介社長に今後の展望を聞いた。

 ―経営理念と事業概況、海外展開の状況
 当社が手掛ける製品はミシン針をはじめとする繊維系の針とPCやスマートフォンなどの基板検査に使われるプローブであり、上田にある本社ではこれらの製品開発・販売を行っている。
 海外では、ベトナム・中国などアジア圏を中心に生産と販売の展開をしており、グループ全体で約1900名の社員が在籍している。
 社是は、グループ共通で「一本の針に心を込めて、世界の顧客に手渡そう」である。リモートの時代になっても当社の製品は、世界中のお客様に直接手に取って使っていただいている。
企業理念は「独自技術をもつ針造り企業である歴史を尊びながら、自ら市場と社会の要請を洞察して、誠実に対応する。
この企業活動が、企業と社員、そしてお客様の成長・豊かさにつながり、良い循環を産み出していく、そういう企業でありたい」というものである。

 ―2022年に進行した円安の影響
 昨年からの世界的なインフレや円安により、材料費や電力費といったコスト高騰の影響を受けている。
 一方、円安は輸出単価上昇による売上高伸長というプラス面の影響もある。
こうした状況に対して必要以上に一喜一憂せず、グローバルなグループ構造を活かしながら、お客様に対して訴求力のある製品・サービスを着実に提供することが重要だと考えている。

 ―新型コロナの影響と対策
 コロナの終息は世界的な状況を見ても非常に難しいものと感じるが、市場の状況を注視しながら柔軟に対応をしていくという基本的な姿勢は今後も変わらない。
一方で、昨年の12月にはコロナ禍以降、2年間にわたり開催が延期されていたアパレル産業機器の国際展示会が大阪で開催されるという明るいニュースもあった。
Withコロナの時代において、リモートとリアルを状況に応じ使い分けながら、市場に対して最適なアプローチを展開していきたい。

 ―今後の展望、今年の抱負
 当社が扱う針製品は機能部品としての役割を果たすため、使っていただくお客様の生産性向上に寄与することを常に意識して開発を行ってきた。
それは、最終的にお客様の業績への貢献につながるものだが、昨今では「環境への貢献」をはじめとする広い意味での価値を提供することの必要性を展示会の場などを通じて強く感じた。
こうした、市場からのニーズに応えるための新しい価値創造を今年もグループ一丸となって目指し、その成果を感じられる1年にしたい。

◇  ◇

 売上高は94億4114万円(2022年3月)。
 資本金3億円。
 従業員数は209人(本社単体、2022年3月)