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上田市の信濃国分寺で「蘇民切り」蘇民将来符を作り始める! 蘇民講が切り始めを行う。

テーマ:上田市ニュース

【蘇民講のメンバーが蘇民包丁を使っての護符作り】
【文字などを書き入れる塩入住職】

 上田市国分の信濃国分寺(塩入法道住職)は1日、蘇民将来符を作り始める「蘇民切り」を行い、蘇民講(山越文雄会長、11人)が切り始めを行った。

 蘇民将来符は、厄除け子孫繁栄の願う「蘇民信仰」の護符。
蘇民信仰は全国各地にあり、さまざまな形状の護符が伝承されている。
信濃国分寺は、白いドロヤナギの木を六角柱にし「蘇民」「将来」「子孫」「人也」「大福」「長者」の文字や厄除けの模様など書き込まれる。
蘇民講が手がける護符には、七福神など絵が入る「絵蘇民」もある。
今回のドロヤナギは武石地域と菅平高原のものを使用。原木の手配から搬入などもあって苦労も多い。

 切り始めでは蘇民講の10人が集まり、頭の六角すいの形などを切り出すのに伝統の「蘇民包丁」を使用。
 長年の使用で刃物の幅がかなり減っているものも多い。
 
 山越会長は「新型コロナの関係もあって厄除けで求める方もいる。来年は良い年になってもらいたい」と話す。
 
 蘇民講のメンバーの高齢化が一時期心配されていたが「40から60歳代の若い方が多くなり、安堵している」と話していた。

 護符に文字などを書き入れながら塩入住職は「室町時代、600年の伝統の重みを感じている。絶やさないよう伝統を守り続けたい」と話していた。 
 蘇民将来符は、3寸から8寸(約9㎝から24㎝)大きさの違う6種合わせて約1万2000体が準備される。

 例年は1月7、8日の八日堂大縁日に頒布。
 頒布習俗は、国選択無形民俗文化財で、蘇民将来符は市指定民俗文化財。
期間中は、昔から遠方からも含めて多くの参拝者があり、例年は5から6万人が訪れ、土日が入ると1割ほど増えるという。

 近年は「新型コロナ対策」で密集をなるべく避けるため、期間延長を行っている。
来月も7日と8日に加えて9日まで延長する。
 今回は土日も重なることから、日中の人出が予想されている。
 7日は午前10時から午後10時半ごろまで。
 8日は午前8時から午後4時ごろまで。
 9日は境内のみに規模を縮小して午前9時から午後4時半まで。

 蘇民講による護符は1月7日に護摩祈祷を受け、8日の午前8時から頒布される。