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「上田・丸子クリーンセンター」の修繕に1億1210万円余を計上!<上田地域広域連合議会10月定例会・開会・一般質問>2023

テーマ:上田市ニュース

 上田地域広域連合議会は25日、10月定例会を開会、広域連合は条例案、令和4年度決算、今年度補正予算案を提出。
 議員提案で、議会の個人情報の保護に関する条例は、提案説明後に可決した。

 開会のあいさつで土屋陽一連合長は、最重要課題になっている資源循環型施設建設について、1年間にわたる環境影響評価の現地調査が終了し、4段階ある手続きの3番目、準備書の作成を進めており「安全・安心な施設の位置付けについて、一定の科学的根拠が示されると考えており、令和6年度当初には、準備書の公告・縦覧、住民説明会の開催を目指す」とした。
 同時に行っている「地域のまちづくり」については、上田市と連携して地域住民と話し合いを進め、環境影響評価の手続きが全て終了する令和6年度中に取りまとめる方針を語った。
 建設に対して一貫して白紙撤回を求める諏訪部自治会については、説明会の配布資料を全戸に郵送して情報を伝え、説明会を行い、引き続き協議に参加してもらえるよう働きかけを行うとした。

 現在稼働中の3つのクリーンセンターについて、丸子クリーンセンター1号炉の緊急修繕を踏まえ、改めて状況を精査したところ、機械設備の不具合が判明し、修繕費として上田クリーンセンターに3267万円余、丸子クリーンセンターに7942万円余、計1億1210万円余を一般会計補正予算案で計上した。

 今年度から利用区域を廃止した大星斎場と依田窪斎場で、依田窪斎場の利用が昨年同期比で15・5%増加、東御市からの利用が増え、廃止した効果があったとした。

 救急業務では、9月末現在の出動件数が前年同期比で1065件増の8706件で過去最多となった。
 救助業務では、前年同期比25件増の88件、うち交通事故による件数は、年間20数件程度が36件の大幅増になっているといた。

 令和4年度決算は、一般会計と特別会計の合計で、歳入49億9703万円余、歳出47億3132万円余で黒字決算。

 監査委員からの審査意見では、一般会計で「上田創造館」についてネーミングライツの自主財源確保を研究すること。
 老人福祉施設居住費利用者負担額補助金には老人福祉基金を繰入れていることから適正な予算管理に努め、対象者の減少を踏まえて基金の在り方について検討するよう求めた。
介護保険特別会計では、認定調査事務のDX導入を研究して事務の効率化を求めた。

◆一般質問 医師不足で二次救急医療体制「輪番制の維持厳しい」

 25日に一般質問を行い、4議員が質問を行った。

◆堀内仁志議員と渡辺久人議員は、医師など不足が課題になっている上小地域の救急医療について質問。
 勤務医の働き方改革なども踏まえ、4月から新設された地域医療対策課などについても質問した。
◇青木卓郎・事務局長は次のように答弁した。
 地域医療対策課では、まずは病院群輪番制の現状を把握するため、病院を訪問し、輪番制に対する考え方や、来年度の医師の働き方改革が導入されて以降の医師への影響の課題について、ヒアリングを行った。
 輪番病院では病院長自らが輪番に対応している病院が多い状況で、事業主の院長は働き方改革の規制の対象外。
しかし、他の医療機関から医師の派遣が望めない状況で、引き続き院長が対応することになり、高齢化による体力面や、長時間勤務に伴う医療の安全面の懸念から医師が増えない限り、これまで通り輪番制を維持することは厳しい状況。しかし、可能な限り地域のために輪番制を継続したいという意見が多い。
 常勤医師に加え、大学からの派遣医師で輪番対応を行う病院では、医師の働き方改革が導入されると、派遣元からの派遣制限や、医師の引き上げという事態が想定されると伺っており、輪番への対応は厳しくなり、医師が派遣された場合でも規制に抵触しないような働き方をするためには、今よりも医師が増えないと対応が難しいことが想定されるとの意見もあった。
 医師の働き方改革導入後は、当圏域の医師不足はさらに顕在化することが予想され、輪番制維持は大変厳しい状況になると捉えており、地域住民の安心安全な生活を守るためには、医師不足の状況を踏まえ、輪番制のあり方など持続可能な二次救急医療の体制について、関係機関と早急に協議してゆくことが必要。
 二次救急の平日夜間、休日の受け入れ体制は病院群輪番制の10病院が当番制で担い、処置困難やベッド満床などで受け入れができない患者は、後方支援として信州上田医療センターへ搬送される。信州上田医療センターは二次救急を支える最後の砦として重要な役割。二次医療完結の目標を達成するためには、中核病院として医療従事者の確保と、医療機能の維持に向けた取り組みを充実させる必要があることから、広域連合では、ふるさと基金を活用し、財政支援を行ってきた。
 今年度、輪番体制を組むにあたり、慢性的な医師不足や医師の高齢化などから輪番10病院だけでは、日程を充足できない状況になってしまいましたが、不足分は信州上田医療センターに直接対応していただき、輪番体制をなんとか維持することができている。
 当医療圏の厳しい状況を打開するため、広域連合に対して二次救急医療の将来ビジョンを描いてほしいという意見もある。輪番制を含めた二次救急医療体制を見直す時期を迎えていると捉えている―とした。
◆ほか消防職員の配置について、減員した依田窪南部署の職員体制を増員させる要望もあった。

◆高田忍議員、田中信寿議員は、資源循環型施設建設や最終処分場についての質問を行った。