日本一の産業を支えた上田市別所温泉の「蚕種製造家倉澤運平の蚕室」を 芝浦工大が調査!
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別所温泉出身の蚕種(蚕の卵)製造家・倉澤運平(1866―1934)の「蚕室調査」がこのほど、芝浦工業大学システム理工学部松下希和教授のゼミ生15人ほどで行われた。
別所温泉の歴史を学ぶ会代表増澤孝徳さん(79)の案内で蚕室内部を見学した。
蚕室は、別所温泉石湯や旧柏屋別荘近くにあり「棟木(屋根の一番高い位置に取り付けられる部材)」に記載された上棟年によると1916(大正5)年建築。
今年で築108年目となる木造3階建。
運平は、蚕糸業が外貨獲得の中心産業であった時代に病気に強く高品質の糸質を生む蚕を育てるためのもの。
別所温泉裏山の「夫神岳中腹に築いた洞窟」から出る冷風で蚕種を保存するための天然の冷蔵庫「風穴」を築き「別所風穴株式会社」を興した。
これにより、蚕種を夏秋に孵化させ夏蚕、秋蚕と呼び、このうち特に秋蚕の製造に特化して長野県指定の新品種である「二化性(年間に二世代を繰り返す性質)」新白を生み出した。
運平は良質の桑の品種改良も進め、蚕室の脇を流れる川の水を利用した蚕室に設けた地下保存庫に置いていた。
この蚕室は秋蚕飼育を中心に「桑で太らせ、空気で強く(運平の弟子猪坂直一談)」で設計された。
地下に置いたストーブで温めた空気を1階に送り蚕種を孵化させ成長した蚕は2階で育てた。
調査を行った同大4年のゼミ長・田村風太さん(21)は「丈夫な蚕を育てるために緻密に設計された建築物。特にオンドル(炉から出される熱を各フロア床下に設置した煙道に通して床全体を暖房する)の構造に興味を持った」と話した。
松下教授によると今年度末までに建物の実測図を完成させる予定となっている。



