今年6月に発足した「平和プロジェクト上田」が「長崎原爆の日」の9日、上田市内に残る戦争遺跡6カ所を巡る。 ★戦争の爪あとや人命の尊さを学び、平和の大切さを胸に刻む
テーマ:上田市ニュース



太平洋戦争敗戦から80年。
二度と戦争を繰り返さないために戦時下の暮らしを体験した人や戦争の遺跡から当時の状況や背景を学び、平和の尊さを語り継ごうと、今年6月に「平和プロジェクト上田」が発足した。
呼びかけたのは前長野大学副学長、上田市の信州クラーク高等学院副校長で プロジェクト代表の山浦和彦さん(70)。
メンバーは長野大学の学生4人と上田西高校ECC部(English Conversation Club)の国際平和チームのメンバー6人。
顧問は山口裕恵教諭。
同プロジェクトは「長崎原爆の日」の9日、山浦代表から遺跡の説明を受けながら上田市内に残る戦争遺跡6カ所を巡り、戦争の爪あとや人命の尊さを学び、平和の大切さを胸に刻んだ。
巡った遺跡は上田東高校正門横に立つ「焼け残ったケヤキの木」、現上田千曲高校にあった旧上田飛行場跡、仁古田の飛行機部品製造地下工場跡、上田原半地下工場建設跡、東山の傷ついた松の木、富士山の熊谷陸軍飛行学校上田教育隊助教官、遊佐卯之助准尉の一家自決地と慰霊碑。
東山の山林に立つ松の木は、幹に洗濯板のような傷跡を残す。「飛行機の燃料の足しにするために松ヤニを採取した傷」と山浦代表が説明。
メンバーは「戦争の爪あとが残る貴重な木として伝えなければ」「飛行機の燃料を松の木のヤニに求めるほど日本の戦況がひっ迫していたことがわかった」「自然環境もキズつけてしまった」と感想。
〈メンバーの感想〉
プロジェクトリーダー
長大4年小川真央さん
サークル「ピースエジュ」で上田市内に残る戦争の遺跡は何回か訪れている。「残していかないと無くなってしまうものを日本人だけではなく海外の人たちにもにも広めていくことができたらと思っている」。
上田西高1年 小山礼夏さん
中学生の頃から特攻隊員について、興味があったので、さらに深く知ることができて良かった。
若い人たちが自分の命をかけて国のために飛び立っていったことを知り、勇気と同時に、とても悲しく、もし自分だったら国のために命を捧げて欲しいと言われてもできないと思った。
色々なお話を聞き、戦争がどれほど多くの人の命や生活を奪ったのかを知り、胸が痛くなった。今、自分が平和な生活を送っていられるのは、多くの人の努力や犠牲があったからだと思う。
これからも戦争を繰り返さないように理解を深め、何が出来るかを考えていきたい。
外国の方にも日本の戦争について知ってもらえるように、今日学んだことを発信していきたい。
上田西 2年 大熊彩希さん
戦争は遠い昔の出来事と思っていたことが、急に身近に感じられるようになった。上田に残っている戦争遺跡は一つ一つのエピソードがあり興味深かった。
特に印象深かったのは遊佐卯之助さん一家の慰霊碑でした。自決のお話を聞いた時、重い空気感があり、遊佐さんの飛行学校の生徒さんを大切に思う気持ちや、命をかけた戦争だったことが感じ取れた。今、私が平和に生きられることのありがたさを実感し、家族や友達の存在をより大切にしたいと思った。
上田西高1年 藤森愛梨さん
戦争は一方的に始まるものではなく、双方がそれぞれの考えや守りたいものを抱えていた上で起きたのだということを実感した。単に「正しい側」と「間違った側」があるのではなく、それぞれの国や人々が置かれた立場や背景があり、その中で選択せざるを得なかった状況があったのだと感じた。
小学生の頃から、戦争の分野に関心を持っていた。しかし、戦争というテーマはどうしてもタブー視されがち。知ろうとしても教えてくださる方は少なく、話題としても避けられる傾向にあると感じていた。それこそが、いわゆる「風化」なのではないかと思う。
だからこそ、私たちができることは、戦争について考え、話すことをタブー視することではなく、後世へ語り継いでいくことであると考えた。たとえ直接戦争を経験していなくても、記録や証言、遺跡を通して学び、伝えることは可能です。そして、その積み重ねこそが、二度と同じ過ちを繰り返さないための確かな土台になるのだと確信した。
上田西高 1年 関夏乃子さん
一見、何もなかったように見える自分の地元上田にも、私が思っていた以上に身近なところに戦争の跡が残っていることを知り、とても驚いた。本来であれば失われるはずのなかった命が、戦争によって追い詰められ、自ら命を絶ったという現実に、胸が張り裂ける思いがした。「国を守るためなら命を絶つ」「戦争によって命が失われることが当たり前」になっていた80年前の状況は、今を生きる私たちにとっては想像がつかない。それほどまでに苦しみながら、試行錯誤を重ねたり、時に無謀な行動をとってまで戦争を続けた意味とは何だったのか、知りたいと思った。
今回の学習を通して、改めて「命の尊さ」「当たり前のことが当たり前にできることの幸せ」を強く実感した。
私たちが正しい事実を学び、それを国内外問わず多くの人に発信し、次の世代へと語り継いでいくことが大切だと感じた。そして学んだことを自分の人生にも活かしていきたい。
3年 成沢幸之助
戦争が以前より自分の身近な地域での出来事だったと知り、平和について考えるよい機会になった。
学校の教科書では日本は太平洋戦争の被害を受けた国というイメージが強く、朝鮮の人が戦前日本にきて働かされていたことがあまり書かれていない。
現地を訪れてみて事実を発信し、二度と同じことがないようにしなくてはならないと思った。
戦後80年となる今年、世界ではウクライナ、ガザと戦争が絶えない地域がある。日本は戦争の体験を次の世代へと語りつぎ国内にとどまらず、世界に向けて戦争はよくないという強いメッセージをあげ、1人でも多くの命が戦争で犠牲にならないようこの活動を通して発信していきたいと思った。



