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<上田市議会9月定例会・一般質問>2025 ☆単年度での赤字、厳しい財政状況「人件費の増大へ対策」!

テーマ:上田市ニュース

【道の駅美ヶ原高原】

 9月上田市議会定例会は9日、8議員が一般質問の2日目を行った。

◆飯島伴典議員は、市長公約に触れながら財政運営の選択と集中の基準、企業誘致の効果などを質問。
◇土屋陽一市長は「当初予算編成では重点分野を設けて配分を行った。子育て支援の一例で、市独自の出産祝金の創設、福祉医療費給付事業の対象拡大をした。同時に将来世代に健全な行財政基盤を引き継ぐための選択では、公共施設の総量縮減や施設集約化を行い、産婦人科病院、鹿月荘、クアハウスかけゆなどの用途廃止など。敬老祝金制度の見直しなども進めた。選択と集中の方針は今後、重要性を増すと認識している。今の選択の一つひとつが未来の上田市の姿をかたちづくる」。
◇北沢健治・産業振興部長は「企業誘致は基本計画を策定し、用地確保のため第2期計画では市内4カ所に49haの重点促進区域を設け、企業誘致・留置に努めている。すでに大手フランチャイズ小売業1社の進出が決定しているほか、市内企業の工場増設、市外企業進出など事業化に向けた検討が進んでいる。工場等の用地取得や設置に対する助成金の利用件数は、基準値の令和元年度の3件に対し、目標値は令和7年度末までに15件としたが、令和3年度から6年度の4年間で助成金利用は17件になり、目標値をすでに達成。新規の雇用創出につながっている」。

◆斉藤達也議員は、市長のビジョンと実績、未来への覚悟の質問で、監査委員から指摘のあった現在の厳しい財政状況が、未来の子どもに胸を張って誇れるものかを問い質した。
◇土屋市長は「単年度での赤字、経常収支比率については、たいへん強く心に刻んでいる。経常収支比率は、どうしても人件費が膨れ上がっており、いかに抑えて行くか、これからしっかり内部で答えを出す。基金については(このままだと10年後に枯渇。枯渇に)ならないように施策を取り扱う。基金を活用して収入を増やすことも(監査委員から)指摘されており、早速行いたい。しっかりと対応したい」と答え、令和6年度決算に対する監査委員の審査意見書で指摘されたことについて対応するとした。 

◆松山賢太郎議員は、医療・介護・福祉での総合的情報共有化で、全国一律で2030年完全導入の電子カルテ化・医療DXの推進、介護情報基盤などについて質問。
◇山賀恵都子・健康こども未来部長は「医療DXは、保健・医療・介護業務における情報やデータの共通化・標準化を図ることで、住民自ら健康づくりを促進し、より良い医療やケアにつながる取り組み。国では令和4年に医療DX令和ビジョン2030を策定し、全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DXの3つを柱に推進。市としても少子高齢化が進む中、市民一人ひとりに寄り添った健康増進の取り組みや、医療DXを推進していくことは非常に重要。モデル事業も実施されていることから、電子カルテの情報共有化について、その状況や検証内容について注視しながら、国から示される方針に沿って、適切に取り組む」。
◇長田泰幸・福祉部長は「介護情報基盤は、全国医療情報プラットフォームの構成基盤の一部で、利用者に関する介護保険被保険者証の情報、要介護認定情報、ケアプラン情報などを共有化することで、利用者、市町村、介護事業者、医療機関の関係者が電子的に閲覧可能とするもの。情報の共有化で事務作業の効率化、介護保険資格などの情報を一カ所に集約して共有できること、介護に関する申請などがオンラインで可能になる。質の高い介護サービスの提供が可能になる。介護保険事務システムを、国が定める統一的標準に適合した標準準拠システムに改修が必要になるが、市では今年8月に終えている。早ければ来年度にも共有開始ができるよう進めたい」。 

◆髙田忍議員は、市民の郷土愛を育む契機としてご当地ナンバー導入を提言。
◇大矢義博・政策企画部長は「上田市単独では登録自動車台数の基準に満たず、近隣市町村との連携が必要。令和4年度の上田地域定住自立圏を構成する担当者会議で他市町村から上田ナンバーについて地域住民の理解を得ることは困難との意見が寄せられた経緯がある」。

◆齊藤加代美議員は、美ヶ原高原における、もうかる観光地の仕組みづくりについて質問。
◇酒井重雄・武石地域自治センター長は「令和6年度に道の駅美ヶ原高原と美ヶ原高原美術館を訪れた観光客は約18万人で、前年度比20%増。道の駅は24時間無料で利用できる駐車場やトイレの休憩機能を基本としており原則、料金徴収はできない。市所有土地に民間事業者により建設されたレストランや売店、ガソリンスタンドなどは平成18年ころに営業を停止しその後、法人はみなし解散となり建物は当時のまま放置されている。建物の一部は経年劣化により破損し、観光地のイメージダウンにつながっている。令和7年度当初予算に建物解体に向けた取り組みにかかる経費を計上し、次年度以降に解体工事を実施する。民間事業者の活用で、県のチャレンジナガノに参加し『天空の絶景・美ヶ原高原における魅力的な拠点開発』をテーマに提案を募っている。上田駅と美ヶ原高原を結ぶ観光バスは1日2往復、計4便を運行しており7日までに900人を超える利用があり好評。上田駅発の始発便は60人を超えた日があり増便対応を行ったこともある。予約制ではないため乗れるのか不安という声も多く見直しの検討が必要だ」。

◆泉弥生議員は、保護者の就労状況を問わず0歳6カ月から満3歳未満の乳幼児が保育施設などを月一定時間まで利用できる新たな国の制度で来年4月から実施される、こども誰でも通園制度について質問。
◇山賀・健康こども未来部長は「対象となる乳幼児で保育所等に在園していない子どもは2025年4月時点でおよそ1100人で、この人数全てが利用できる体制を整えるためには通常の保育への影響が避けられない。来年4月の開始時点の定員等については通常の保育を優先する形で受け入れ人数や施設等の設定を行いたい」。

◆金沢広美議員は、循環型農業を進めるため稲倉の棚田の稲作で、稲の中干し期間を延長してメタン発生量を抑制しJ―クレジットを活用してはと提言。
◇北沢・産業振興部長は「稲倉の棚田保全委員会により約4haで水稲栽培が行われている。J―クレジットの効果を試算すると二酸化炭素の削減量は約5トンという結果。J―クレジットを市場で販売できる量は限定的で、棚田保全のための新たな収入源にはなりにくい」。

◆村越深典議員は、老朽化が進む市営住宅で高齢単身者が増加している状態を踏まえ入居者への支援、市営住宅の展望などで質問。
◇佐藤安則・都市建設部長は「耐震性のある市営住宅は、3月末現在で総数403棟、1776戸のうち、83棟、689戸。入居者の減少(老朽化・耐震性がないため新たな入居者の募集をしていない)や高齢者の増加で、共用場所の清掃や除雪など維持管理が困難になっていることは深刻な課題。市が代わって行うのは難しいが、団地の管理組合や自治会からの相談に対して、実態を把握し、適切な助言をする。どのようなサポートができるのか、管理運営を代行している長野県住宅供給公社上田管理センターと連携し、他の取り組み事例を調査研究し、より良い解決策を見出したい。市営住宅入居の抽選で落選した人へのサポートで、過去2年間で4回以上落選した世帯に優先枠申し込みを可能としている。市として落選者に住まいを斡旋するのは困難だが、希望者に寄り添いながら引き続き支援する。将来的な戸数について上田市営住宅等長寿命化計画では、令和9年度末の目標管理戸数を1217戸と定めている。長野県の県営住宅等寿命化計画によると、令和12年度末に県営・市営を合わせた上田圏域の目標管理戸数を2796戸としている。市の現行計画の期間満了する令和9年度中に次期計画への改定を予定しており、県と協議しながら目標戸数を改めて設定する」。