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<上田市当初予算案>2023 子育てなど重点6分野 一般会計4.3%増の713億5000万円

テーマ:上田市ニュース

 上田市は10日、17日開会の市議会定例会に提案する「令和5年度 当初予算案」などを発表した。
 一般会計は4年度当初より4・3%増の713億5000万円、昨年は市長、市議選による骨格予算だったための増加。
平成18年度以降で4番目の規模。
 市長公約を踏まえた6分野へ重点的に財源配分し、物価高に対応した「アフターコロナ」を見据えた予算編成とした。

 土屋陽一市長は「子育てがより安心して生活できる市を目指し、子どもの医療費助成の対象を18歳まで拡大。慢性的な看護師不足から市内出身者が市外の大学に進学し、卒業後に市内医療機関に就職してもらうため修学資金貸与制度を創設する。消防団員の減少から、火災や風水害等の災害活動や避難誘導など特定業務を行う機能別団員を任用する制度を創設する」と新年度からの施策を語った。

◆歳入では
 市税が前年度当初比1・4%増の218億1905万円。
 うち個人市民税が、78億円2500万円。
 法人市民税が、16億9200万円。
 固定資産税が95億5500万円。
 地方交付税は、前年度当初比2・4%増の149億9万円。
 国庫支出金は、前年度当初比4・1%増の81億7456万円。
 市債は、前年度当初比46・6%増の39億690万円。

◇  ◇

★重点6分野の主な施策は次の通り。
 【生涯現役で活躍できる上田の実現に向けた健康・福祉の増進】
 ▽周産期医療緊急対策事業(1億8000万円)
  市立産婦人科病院の来年度末閉院に伴い、機能が集約される信州上田医療センターが行う病棟改修などに財政支援
 ▽看護師確保修学資金貸与事業(215万円)
  4年制の看護師養成課程に在籍して上田市内の医療機関で看護師として勤務する意思のある上田市出身学生が対象。
  貸与額は年40万円。
  貸与年数と同じ期間勤務すると全額免除される
 ▽市民健康づくり計画等改定事業(209万円)
 ▽地域医療介護総合確保基金事業補助金(4115万円)
  看護小規模多機能型居宅介護の施設整備への補助金

 【子ども・子育て・教育支援、未来を担う人づくり】
 ▽出産・子育て応援交付金事業(1億1103万円)
  妊娠期から子育てまで相談に応じて必要な支援につなぐ「経済支援」と「伴走型相談支援」を一体的に行う。   
  経済支援は、子ども1人あたり5万円、妊婦1人あたり5万円。  
 ▽出産祝金給付事業(2300万円)
  第1子に1万円、第2子に3万円、第3子以降に5万円
 ▽福祉医療費給付事業(8億6055万円)
  医療費の自己負担額を助成。来年度から子どもの医療費助成を15歳・中学校卒業までだったものを、18歳になる年度末までの約3800人拡大。拡大分は、市単独で5346万円。
 ▽学校給食費負担軽減事業(5424万円)
  物価高騰の給食費増額分について保護者負担を軽減
 ▽第五中学校改築事業(12億7895万円)
  基本・実施設計等委託、仮設校舎借上料、施設建設工事費など。令和6年度以降の事業費18億2970万円
 ▽民間保育所助成事業(4億7661万円)
  民間保育所の施設整備補助金、送迎バス安全装置改修事業補助金など

 【市民が主役のまちづくり、魅力ある地域づくりの推進】
 ▽活力あるまちづくり支援事業(1020万円)
  従来からの市民活動団体の支援事業。
  新規で住民自治組織ごとに上限3団体の事業を支援
 ▽武石スマートシティ実証プロジェクト事業(608万円)
  ドローン自動運転による災害後の現地確認の実証実験
 ▽結婚支援事業 縁結びプロジェクト委託(335万円)
  上田地域定住自立圏域での結婚支援交流会(64万円)
 ▽仮称・市民ICT支援センター整備事業(650万円)
  マルチメディア情報センター機能の上田市東庁舎へ移転するための実施設計委託料
 ▽上田城跡整備事業(3971万円)
  武者だまりや櫓復元。
  櫓復元に役立つ資料(古写真)などの提供に懸賞金、シンポジウム、旧市民会館解体実施設計など


 【SDGsの推進と循環型社会の形成及び地球温暖化防止対策】
 ▽資源循環型施設建設関連事業(1220万円)
  建設予定地でのまちづくり基本構想案の策定業務委託料、施設周辺道路予備設計の業務委託料
 ▽し尿前処理下水道投入施設整備事業(2200万円)
  工事費負担金、地元自治会への地域振興協力金
 ▽有機物リサイクル施設整備関連事業(2200万円)
  用地・地形測量業務、事業者選定アドバイザリー業務、敷地内残置物撤去。令和6年度以降の事業に1200万円
 ▽地球温暖化対策設備設置費補助金(5000万円)
  太陽光発電設備を家庭や事業所に設置する補助、太陽熱利用設備や蓄電設備、開口部断熱設備、V2Hシステムへの補助
 ▽中学校施設の照明器具LED化事業(180万円)
  市内中学校の照明器具をリース発注で行う。


 【安全・安心に暮らせるまちづくり】
 ▽インフラ長寿命化修繕事業(7億350万円)
  橋梁耐震化、トンネル、道路の計画的な修繕。塩田運動公園線、神川橋、越戸橋、岡橋、国分トンネルなど
 ▽緊急自然災害防止対策事業(1億1500万円)
  10地区の治水事業、赤坂・矢沢地区排水対策事業
 ▽交通運輸対策事業 別所線関連事業で千曲川橋梁の橋脚補強など(2億4244万円)
  丸子地域デマンド交通・10月から現行循環バス・まりんこ号をタクシーを利用した乗合型公共交通に移行。運賃300円(1100万円)など
 ▽自主防災組織資器材購入補助金(608万円)
  自主防災組織の活動充実で補助金の上限、補助率の引き上げ。
  令和5年度から6年度の時限措置
 ▽防災行政無線更新事業(4700万円)
  デジタル防災行政無線の更新
 ▽消防団員報酬、消防団車両等整備更新事業 機能別団員を新設した消防団員報酬(7275万円)。
  機能別団員の報酬は1万2000円。
  消防団車両等整備更新は、4550万円。


 【産業振興と地域経済の活性化】
 ▽スマート農業実証事業推進負担金(300万円)
  農業生産性向上、新規就農育成支援で実証ほ場を設置
 ▽農地利用効率化等支援事業(849万円)
  認定農業者等の設備投資補助
 ▽道の駅整備事業(5267万円)
  国道254号線沿いの道の駅整備へ官民連携手法の検討調査業務委託、上下水道管新設
 ▽生産性向上投資促進事業(3000万円)
  生産性向上と温室効果ガス削減を目的とした設備投資を行う中小企業者への補助。
  上限500万円。
 ▽池波正太郎関連企画展開催事業(260万円)
  池波正太郎生誕100年、開館25周年記念事業。
  3回の企画展、上映会など。
 ▽サニアパーク菅平整備事業(3800万円)陸上競技場改修
 ▽武石番所ヶ原スキー場整備事業(2億1100万円)レストハウス増改築工事など

◇  ◇

◆庁舎関連では
 市庁舎改修・改築事業で本庁舎の竣工式典開催業務委託料などに672万円。
 北駐車場整備などに1億6400万円
 武石地域総合センター整備で駐車場、にぎわい広場整備などに1億9325万円。

◇  ◇

◆特別会計は
 介護保険事業や国民健康保険事業など6会計で前年度当初比0・1%増の346億3637万円。
 企業会計は、真田有線放送電話事業の終了から公共下水道事業や水道事業など4会計で前年度当初比1・3%減の181億2975万円。
 一般会計との総合計は前年度当初比2・3%増の1241億1613万円。
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