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上田小県近現代史研究会がブックレット第29号「上田小県における大正デモクラシー」を発行!

テーマ:新刊情報

【ブックレットを持つ事務局の桂木さん】

 上田小県近現代史研究会(小平千文会長)はこのほど、ブックレット第29号「上田小県における大正デモクラシー」を発行した。

 一昨年から今年にかけての時期は政治や社会、文化などあらゆる分野に現れた民主主義や自由主義の運動。
大正デモクラシーの高揚期からおよそ100年にあたる。
「現在の社会状況は先人たちが追い求めた理想に近づいているのかを問いたい」ーと、今回のテーマを設定したという。

 事務局の桂木惠さん(69)=上田市真田町傍陽=は「ウクライナに侵攻したロシアは言論の弾圧や報道操作で、戦争肯定の国内世論を作り出している。
 戦争は、民主主義の抑圧と大きくかかわっており、戦争を防ぐためには民主的な諸権利を普段から守り育てていくことが大切だ」と話す。

 上田小県地域で発祥し、全国をけん引するほどの動きとなった児童自由画運動や「時報」、上田自由大学などを中心に
 ▽上田小県における大正デモクラシーのあゆみ
 ▽社会変革や人権拡張を求めた諸運動▽「知る権利」を育んだ『時報』の発行
 ▽ヒューマニズムを求めた教育と文化
 ▽女性解放運動の5章で構成した。
 ともに小県郡神川村(現上田市)の蚕種製造業を営む家に生まれ、上田自由大学創設や農民美術運動などに大きな役割を果たした金井正(1886~1955)や、山越脩蔵(1894~1990)らの評伝も掲載。


 市川房枝と行動をともにし、婦人参政権運動に取り組んだ児玉勝子(1906~1996)についても紹介した。児玉は坂城町出身で旧制上田高等女学校(現上田染谷丘高校)を卒業し、別所温泉常楽寺で開かれた信州婦人夏期大学で学んだ。
 上田小県近現代史研究会は1992年に設立。原則として毎年1回、テーマを決めてブックレットを発行している。
 A5判、137ページ。1000部発行。市内の書店で販売している。定価600円(税別)。
 問い合わせは販売責任者の小岩井さん。℡080・1060・7016