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上田市立美術館と東御市の梅野記念絵画館が「上田クロニクル(年代記)ー上田・小県洋画史100年の系譜」と題した企画展を同時開催!

テーマ:お知らせ

【丸山恒雄の「蟹」(左)や岡鹿之助の「雪の発電所」(中央)などが並ぶ
上田市立美術館】
【東御市島川原で描かれた竹内三郎の「発電所の街」(左)などが並ぶ
梅野記念絵画館】
【岡鹿之助の直筆書簡(梅野記念絵画館)】

 上田市天神3の市立美術館と、東御市八重原の梅野記念絵画館は「上田クロニクル(年代記)―上田・小県洋画史100年の系譜」と題した企画展を「同時開催」している。

 児童自由画教育や農民美術運動を提唱した芸術家、山本鼎らにより1923(大正12)年、小県郡神川村大屋(現・上田市)に日本農民美術研究所の建物が完成。
 その指導者として倉田白羊や小杉放菴ら中央画壇の芸術家たちが招かれたことで上田地域に芸術の種がまかれ、美術を志す若者たちに大きな影響を及ぼした。

 同展は、4章構成で上田・小県地域の近現代の美術史を総覧する。
 倉田白羊が立ち上げた「ノア会」や岡鹿之助が戦後間もない1948(昭和23)年から30年間にわたり指導した「鹿苑(ろくえん)会」。
その活動を引き継いだ春陽会東北信研究会など、それぞれの活動に参加した地域の人たちの作品を並べた。

 作品は、飲食店や旅館を営んだり、小中学校の教師など仕事をしながら、あふれんばかりの情熱を持って描かれたものが多い。遺族所蔵のほか小中学校や公民館などに展示されていた作品もある。

 上田市立美術館では倉田白羊とともにノア会を立ち上げた上田市原町の医師、赤松新や同市海野町の金物屋の息子、関口義照らの油彩画を展示。
 岡鹿之助が鹿苑会メンバーの案内で訪れた山ノ内町で描き、代表作となった油彩画「雪の発電所」もある。

 学芸員の小笠原正さん(52)は「若い情熱を燃やし人生をかけて描いていた人たちがこの地域に大勢存在し、これだけの作品を残していた。山本鼎ら第一世代の人たちがまいた種がみごとに花開いて地域に根づいていることを知っていただきたい」と話す。

 梅野記念絵画館に展示されている岡鹿之助の直筆書簡は赤松新に宛てた2通で「鹿苑会発足前夜の様子を知る貴重な資料」という。
2通とも講習会の日程や宿についての内容で「信州へお伺いするのを楽しみにしてをります」などと記されている。

 同館は「作風から絵画表現の変遷が見て取れる。上田地域の濃い美術の歴史の系譜をたどっていただきたい」とする。

 3月10日まで。
 入館料は2館共通券のみで一般600円。
 上田市立美術館は午前9時から午後5時まで。
 火曜日休館。
 梅野記念絵画館は午前9時半から午後5時まで。
 月曜日休館。