長野市を拠点とする劇団「NPO法人劇空間夢幻工房」がミュージカル公演「チュイチュイ左手のバイオリン弾き」(11日・佐久市の交流文化館浅科) ★関係者が小諸市役所を表敬訪問
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長野市を拠点とする劇団「NPO法人劇空間夢幻工房」は11日、ミュージカル公演「チュイチュイ左手のバイオリン弾き」を佐久市の交流文化館浅科で開く。
長野県内7会場目の実施で、佐久では初開催。
このほど、関係者が小諸市役所を表敬訪問した。
この公演は、ハンディキャップを克服したバイオリンパフォーマーで、長野市の牧美花さんの半生を描いた「愛と感動のファンタジー&ドキュメンタリーミュージカル」。
脚本や演出は、同法人理事長の青木由里さん。実話がベースだが「不思議の国のアリス」がモチーフのファンタジー要素を盛り込んでおり、子どもも楽しめる「笑って泣ける作品」という。
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牧さんは生まれつき左手が不自由で、ものを持つことができないと診断されていた。
2歳の頃、バイオリニストで音楽教育家の「鈴木鎮一さん(平成10年没・享年99歳)」の薦めでバイオリンを始めた。
「姉がバイオリンを習うことになり、教室について行った。
両親は私が弾くことを想定していなかったが、鈴木先生は私にもバイオリンを薦めた。先生は、私の左手が医学的には難しい状態であることを聞いても『子どもの能力を信じているから』とおっしゃってくれたようだ。以後、試行錯誤して指導してくれた」という。
熱心な指導のもと、牧さんは練習に励み実績も重ねた。
さらに左手の状態も良くなり、ものを持つことができるようになったという。
26歳からチュイチュイの活動名を使い、国内外で演奏などを行っている。
青木さんは、10年ほど前、同劇団の市民劇を通じて牧さんと知り合った。
4年前、牧さんのコンサートなどで、牧さんや鈴木さんのエピソードを知り感動。
「これを聞いてどれだけの人が勇気づけられるだろう、希望を見つけられるだろう」と考えたという。
一昨年、牧さんを応援する団体からの呼びかけもあり、今回のミュージカル創作に着手。
子どもたちにも見てもらおうと、ファンタジーを取り入れて構想を練った。
また、鈴木さんの「どの子も育つ育て方ひとつ」などのメッセージも織り込んだ。
昨年から県内各地で公演が始まり、今後は全国公演も検討している。
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表敬訪問は、公演に協力している小諸市内ジャズダンス教室の土屋芳美さんの調整で行い、青木さん、牧さん、小泉俊博市長、山下千鶴子教育長らが出席。
青木さんは「可能性を信じてくれる大人がそばにいることはものすごく大きい。伝えていきたいし、皆がそういう大人になれたら素敵」。
牧さんは「鈴木先生が私に光を当ててくれた。素晴らしい教えや愛情の深さを伝え、共感してもらえてらえればうれしい」などと話した。
佐久公演は、午後1時半開演。
チケットなどの問い合わせは
(電話)080・5144・6396(制作・青木さん)
(電話)0267・82・3962(佐久市コスモホール)