<職人>弦楽器、石井 栄さん(75)=上田市真田町本原= 「奏者と出会い 新たな楽器に挑戦」
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上田市真田町本原で弦楽器工房を構える石井栄さん。
ギターのほか古楽器のヴィオラ・ダ・ガンバ、南米アンデス地方の民族音楽・チャランゴ、ウクレレなど数々の弦楽器を作り続けて50年。
石井さんは、東京教育大学(現・筑波大)を卒業。
アルバイトで貯めたお金を持って、ヨーロッパ各地を4カ月間旅行した。
ギター工房が点在するスペインのグラナダでギターを買い、弾きながら旅を続けるうちに、ギターを作ってみたいという思いが募ってきた。
日本へ戻り、東京の本屋に飛び込み、ギターの専門誌を購入。
そこで東京町田市のギター工房で「弟子募集」というのが目に入り、早速工房へ。
ここでギター作りの修行をすることになった。
10年余り修行して出身地である上田市に戻り、弦楽器の製作を始めた。
製作を続けるなかで楽器奏者との出会いがあり、新たな楽器作りへのきっかけとなった。
リュート奏者である、つのだ たかしさんもその一人。
小諸のコンサートで偶然、出会いリュートを作ることに。
ヴィオラ・ダ・ガンバを作るきっかけも奏者との出会いから。
ギター以外の弦楽器にも果敢に挑戦した。
今は、楽器が壊れて困っている人から修理の依頼があり、この時が一番「人の役に立っているな」と思える時という。
「今までの人生、自由に生きられ、かけがえのないものだった」と振り返る。