企画展「傅益瑶とその家族展」(12月25日まで・上田市別所温泉の常楽寺美術館) 中国の水墨画家、傅益瑶(フ・イーヤオ)さんの作品展示
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上田市別所温泉の常楽寺美術館は企画展「傅益瑶とその家族展」を開いている。
中国の水墨画家、傅益瑶(フ・イーヤオ)さんは、1987年に同寺に滞在して、本堂ふすま絵「別所古刹風光」を制作。
同寺住職を務めた半田孝淳・第256世天台座主(1917~2015)の紹介で、その後、京都三千院や三十三間堂、延暦寺国宝殿、福井永平寺で障壁画などを制作した。
傅益瑶さんの父で現代中国画壇の第一人者、傅抱石さんの水墨画「井崗山之頌(せいこうざんのしょう)」や妹、傅益玉さんの油彩画「秋の木曽駒」など同館所蔵の20点余を一堂に展示した。
比叡山延暦寺で4年に1度開かれる秘儀「法華大会」に参加する、天台座主に就任する前の半田孝淳大僧正を描いた傅益瑶さんの水墨画も並ぶ。
県立美術館の企画展のために貸し出されていた傅益瑶さんのふすま絵「別所古刹風光」は、現在、本堂にもどされている。
常楽寺や北向観音、安楽寺三重塔など別所温泉の古刹の背景に塩田平や独鈷山が描かれる。
制作のため寺に1週間泊まり込んだ傅益瑶さんは初めの4日間は周辺を散策しながらスケッチし、後の3日間は不眠不休で一気呵成に描き上げたという。
本堂は参拝者に開放されており、ふすま絵「別所古刹風光」は自由に鑑賞することができる。
故・半田孝淳天台座主の長女、伊野純子さん(75)は「本堂のふすまとして大切に使いながら、多くの人に見たいただきたい」。
副館長で半田真慈・前住職の妻、智保さん(42)は「別所温泉など地元の人がよく知る場所を題材にした作品も多く展示している。中国の画家の手で描かれたなじみ深い風景を、作品の題材となった地で楽しんでいただければ」と話す。
12月25日まで。
美術館の開館時間は、午前9時から午後4時まで。
入館料、大人500円。
(電話)0268・37・1234(常楽寺)