<職人> 陶芸 都築誠さん(84)=上田市真田町本原= 「千古の滝窯で窯焚き101回」
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上田市真田町本原の都築誠さん(84)は陶芸家で、同市真田町長にある千古の滝窯で県内最大級と言われる薪の窯焚きを行っている。
都築さんは小諸市出身。
旧丸子町(現上田市)に移住し、1980年には同町の埋蔵文化財調査委員になった。
この時に同じ委員だった田村和幸さんと出会い、田村さんに穴窯や登り窯などの焼成方法を習い作陶を始め、以来7種類の薪窯を焚いた。
1996年には、旧北御牧村(現・東御市)の「炎窯会」の設立に参加して初代会長に就任、登り窯焼成を指導した。
1999年には出資者を募って「千古の滝窯」を設立。
以降は、毎年3回から4回、窯焚きを行うようになり、県内各地で作品展示会も開催している。
千古の滝窯での窯焚きは2021年春に念願の100回目を達成し、2022年秋には再開の101回目を行った。
薪は材として使い道のないアカマツを使用し、釉薬を使わず灰のみで色を付けているのが特徴。作品は「椀子信楽焼」と命名。「窯を詰める場所が手前か奥か、上か中か下かで焼き上がりが違うため、計算して詰めているが、計算通りにいかない時もあるので奥が深い」と魅力を語る。
現在は参加者の高齢化と「コロナ禍」で、焚こうと計画しても焚き手不足。
ここ3年は窯焚きは年1回とペースダウンしているが、次回は今年4~6月に予定。
1月下旬と2月下旬には作品の個展も開催する予定。