シナノケンシ㈱=上田市上丸子= 金子元昭社長(72) 「アメリカの人工衛星に関わる企業とパートナーシップを組んだ」
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上田市上丸子のシナノケンシ㈱は、モータを主軸に「ASPINA(アスピナ)」を、コーポレートブランドとして世界展開している。
昨年の経営や今年の展望などについて金子元昭社長(72)に聞いた。
<昨年のロボット、医療分野などの開発、経営や生産の状況は>
前期はアメリカ市場が好調でボーナス的な売上げで予想外に増えたのに対して、今期は大口顧客の不振が2件あったことで売上げが下がってしまった。
中国の経済が低迷したことも影響している。
円安には助けられている。
医療分野、宇宙など新分野開拓は進んでいるが、どちらも認可などに手間がかかるため、前期、今期は大きな伸びは見込めない状態。本格的な立ち上げは来期の見込み。
中国で開発され、中国国内向けの新商品は好調に増えてきた。中国メーカーが、製品のPRを依頼しているわけではないが私共の社名のモータを使用していると打ち出している。
モータの生産目的で進出した中国だが、進出して32年、大きな市場の中国に根差した商品が展開できるように進化し、とても嬉しい。
<課題を踏まえて行いたい改善点や目標は>
モータはさまざまな製品に使用されることから強靭性があるが、更なる強化として、全ての工程、作業、間接業務などの効率を上げる。
残業時間をかなり減らしており、月平均1人7時間未満になっている。
効率化のためDXを活用し、システム化に力を入れる。
新分野開拓は継続して強化する。
新しい顧客のため、モータによるどのような動きが必要なのかを確認し、顧客からの発注を待つだけでなく、こちらから適切な提案ができるように仕組みの改善を行う。
<新分野への挑戦は>
工場内で物を運搬する自動搬送ロボット・AMRは今年の発売に向けた最後の段階に来ている。
これを市場に出して育てる。
医療分野は呼吸器系の用途が広がり、新しい案件が増えており、人員も増強して対応したい。
宇宙分野は日本だけでなく、アメリカやヨーロッパでも活動を広げる。
アメリカの人工衛星に関わる企業とパートナーシップを組んだことから、これからが楽しみ。
<本社改築の状況は>
2025年5月の完了に向けて予定通り進行している。
土地の余裕がなかったことから、スクラップ・アンド・ビルドで進めており、第2期が7月に終わる。
そこへの移動を済ませ、最後の段階に入る。
<多くの企業で課題になっている人材確保については>
人材確保は難しくなっている。
昨年は5%の賃上げを行った。
今年も政府、経団連、労働組合がそろって高い水準を想定している。
当社としてもこの動きには追随する必要がある。
人への投資は続けているが、特に教育プログラムを見直し、一人一人の成長に取り組みたい。
ダイバーシティ・インクルージョン、多様性確保の促進では、特に遅れている女性活躍も注力する。
新たに顧問を採用し、多様性確保の検討プロジェクトを始める。
◇ ◇
1918年創業、資本金6億5000万円。
従業員数は国内約850人、グループ全体で約4000人。
2023年2月期の「年間売上(連結)」は、573億円。



