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上小圏域障がい者自立支援協議会が「本会」2025を上田市丸子ふれあいセンターで開く! ☆今回から公開で行う ☆昨年度事業や今年度活動計画など報告

テーマ:上田市ニュース

【初公開した上小圏域障がい者自立支援協議会】

 上小圏域障がい者自立支援協議会は「第54回 本会」を上田市丸子ふれあいセンターで開いた。
 今回から公開で行い、昨年度事業や今年度活動計画など報告。
 児童発達支援センターや放課後デイサービスの満床状態、地域の受け皿や放課後のあり方など地域課題について協議した。
 40人参加。

 同協議会は県や上小圏域「4市町村(上田市、東御市、長和町、青木村)」の福祉担当課、長野大学、当事者団体、医療、教育機関、障がい児者支援団体、ハローワーク上田、上小圏域障害者総合支援センターなどで構成。
 障がいのある人の福祉や医療、教育や就労などに関する各種サービスの総合的な調整を図り、相談支援をはじめとした圏域全体でのシステムづくりの中核的役割を担う。年3回本会のほか、委員会や専門部会など随時開いている。

 同協議会会長の長野大学社会福祉学部・相馬大祐准教授は「地域のなかの課題といわれているものを多様な機関で協議しながら解決策を探るのが協議会のねらい。息の長い活動で成果がみえてくるものなので協力をお願いしたい」とあいさつ。

 上小圏域障害者総合支援センターの昨年度事業報告では、虐待に関する相談が前年度より50件ほど増加。
 障がい児等療育支援では、発達障害診断なしの人の相談が26人、延べ90件に「増加(前年度1桁)」などを報告。

 診断なし増の要因として「圏域の発達外来受診の予約が現在入りにくく、予約しても1年待ち、今年度は新規受け入れ中止の病院もある」など挙げた。
 「心理士が発達検査など行い、発達障がいの見込みがあっても病院の受診に至らない子どもが増えているため、早期療育を求めた保護者は福祉サービスや児童発達支援を求めて相談が増加傾向」とした。
 
 同協議会事務局で上小圏域基幹相談支援センターの橋詰正所長は「大きな課題は2つ。一つは重度障がい者を支援する体制が脆弱になり受け皿がなくなっている状況。2つ目は診断の精度が上がり、発達障がいの診断が付いたり早期療育の必要性があるということで、学齢期に入って児童館や児童クラブといった学校の放課後対策から、特別な支援をした方がいいと放課後デイサービスに流れてくる。いくら放課後デイサービスの基盤整備をしてもずっと満床状態で待機者が出ている状況」と話した。

 放課後デイサービスの集まりの団体で在宅福祉サービス連絡会の宮原哲史会長は「放課後デイサービスは年々増えてはきているがニーズも多くなっていて、お母さんが働きたいという入口での相談なども多く聞かれる。すべて受けてしまうと本来使いたい重度の人たちが使えない状況。放課後のあり方を市町村に検討してほしい」。

 東御市子ども家庭支援課の小林裕次課長は「児童館や児童クラブのほか、子ども第三の居場所『ゆめぽけっと・とうみ』を昨年4月から開始した。療育で少しずつできることを増やしながら地域の方へ少しでも移行できるように横のネットワークをつくっていかないといけない。必要な支援や放課後のあり方をどこで支えられるのか、学校の中だけでなく放課後のところも一緒に決めていけるような組織など早々に考えていかないと本当に必要な子に行き届かないのではないか、そのようなことを検討している」とした。

 橋詰正所長は「かつて児童発達支援センターのない地域はどこで早期療育していたかというと、地元の保育園とか地域の中で応援していく景色があった。もう一回考え直さなければいけないのは、専門領域だからといってすべて児童発達支援センターと放課後デイサービスに投げていったら、地域の受け皿からどんどん障害福祉に流れてくるだけの景色になってる。食い止めるというよりどうあるべきか、私たちの地域は考えなくてはいけない」と問題提起した。

 上田市中央の児童発達支援センター蓮の音こども園、療育コーディネーター神原久美子さんは「この圏域には児童発達支援センターが2カ所ある。それぞれ定員が30人でここ10年、両園とも定員を超える契約数があって、毎年多くの希望をいただく中すべてのニーズに応え切れていない状況が続いている」。
 課題として、入園の判断基準の必要性や出口支援でセンターを出る時の地域の受け入れ体制を挙げ、「センターで支援を受けたお子さんが安心して地域に戻れる体制や道筋が整っていない。地域を支える仕組みも強化していく必要を感じている」。
 さらに「上田市の特徴として並行通園の少なさやセンター利用の子どもたちが地元の保育園などへの受け入れの難しさを解決できない状況があり、今後関係者と共有、検討していければ」と話した。

 協議会後の取材に橋詰所長は「子どもたちをほんとうに応援しようと地域で盛り上がっていただくことが大事。今回から公開で開催でき、行政とも一緒に考えていける協議会になってきている」。
 「本来はいろんな療育を受けて地元の人たちと過ごせるように実は戻っていただくための応援をするイメージ。一定の訓練したら戻っていける子たちもいると思うんですけど、待機児童の問題もあり戻れない状況や、逆にもう少し療育しっかり受けた方がいいですねと流れてくる状況がある。その子たちが地元に戻れるということを体制的に整えていかないと、なんとなく診断受けた子は障がいの方でずっと療育から流れていけばいいっていうふうに蓋をされてしまったら、地元で育つインクルーシブが閉ざされてしまう。地元で受け入れていく発想が消えたり薄まった地域にならないようにしていきたい」と話していた。