上田市の視覚と聴覚障がいの清水高さん(30)、母親の佐登子さん(70) ☆「車イスダンスで新しい世界を拓く」
テーマ:ひと
◆高さんと佐登子さん(小泉ダンススクール)


上田市の清水高(たかし)さん(30)、佐登子さん(70)親子は、今年2月、上田市丸子文化会館セレスホールで長野県ボールルームダンス連盟主催の「第23回アマ・プロダンス&車いすダンスフェスティバル」に車イス部門に出場。
ワルツを踊って優勝した。
高さんは、生まれた時から視覚と聴覚、心臓などに障害があるチャージ(CHARGE)症候群という先天性難病。
姉と兄の3人兄弟。6歳(小学1年生)から上田養護学校訪問教育部籍に就学。医療ケアを受けながら高等部3年まで就学した。
〈車いすダンスとの出会い〉
10年前、上田市塩田公民館で車イスダンスの募集があった。佐登子さんは「やってみよう。やるしかない」と決断し、入門した。 講師は小泉ダンススクールの先生だった。最初は月に1回の練習だったが、高さんが楽しみにしているようだったので週1回になった。
高さんは、音楽を床からの震動で感じ、うれしそうな表情を見せる。ダンスをする前は、いつも身体を丸めて怖そうにしていたが、ダンスをするようになってからは、風を感じかのよに片手を伸ばし、足をパタつかせて喜びを表現するようになった。
今年3月、千葉の幕張メッセで日本ボールルームダンス連盟主催の「スーパージャパンカップダンス」が開催された。
日本では有数のダンス競技会で、社交ダンスをしている人たちは憧れの大会だ。
佐登子さんは「この大会に出場してみよう」と決意。
大きな荷物を背負って、車いすを押しながら新幹線や在来線を使うのは至難の技だったが、駅員さんら多くの人たちに支えられて会場の幕張まで行った。
プログラムの車イスダンス、エキシビジョンに「車いすドライバー、清水高、スタンディングパートナー、清水佐登子」の名前が載っていた。
高さんは人や空気の流れを感じ、いつもとは違う雰囲気に緊張を隠せない様子で、リハーサルではぐったりしていた。
本番では、スポットライトを浴びながら2人の手はしっかりと繋がれ、華麗に踊った。佐登子さんは「自分たちなりのダンスを表現でき、素晴らしい夢のような時間だった」と振り返る。
2人にとってダンスは新しい世界を拓くきっかけとなった。
「ダンスに身を置くことができて本当に幸せ」と話す佐登子さんの横で高さんは、ほほ笑みを浮かべたようだった。



