上田リバース会議「交通まちづくりシンポジウム」を開く!★阿部守一県知事もパネラーで参加。上田ビジョン研究会、上田市民エネルギー、NECO。
テーマ:上田市ニュース




上田ビジョン研究会、上田市民エネルギー、NECOは18日、今年度第6回上田リバース会議「交通まちづくりシンポジウム」を上田市の上田映劇で開いた。
阿部守一・長野県知事もパネラーで参加。
採算性以外に価値を生み出す公共交通への評価を高め、公費投入の仕組みづくりが必要とし、国に訴えるなどの話題で盛り上がった。
会場やオンラインで約200人が参加。
「公共交通が持続可能でなければ上田も持続可能ではない」として、現状について上田ビジョン研究会事務局の藤川まゆみさんが、これまで持続可能な上田を考える活動で積み上げられてきた議論を紹介。
◆中心市街地の人口減少と居住の郊外化で
・上下水道や道路などインフラ経費の増大
・公共交通の路線廃止
・中心市街地の店舗減少や地価減少(固定資産税の減)
・市民の不安は車が運転できなくなった時の生活が多い実態
・高校生の通学に家族が送迎している割合が多い※独自調査で学校までより最寄りの公共交通機関までが多い
・移動手段として自家用車の二酸化炭素排出量が多い
ーなど、さまざまなデータを示した。
基調講演は「なぜ交通まちづくり?」をテーマに関西大学経済学部の宇都宮浄人教授が行った。
欧州の例から上田規模の都市であれば「悪循環を好循環にできる」とし、現状について「地域の衰退は皆が車に乗り、公共交通が減り、道路で財政が悪化、若年層が住みにくくなる」。
道路渋滞を解消するための道路投資は、公共交通サービスの改善がなくては、逆に渋滞を悪化させる「ダウンズ・トムソンのパラドクス」理論などを説明。
欧州の例から、生活の質を向上させるための「持続可能な都市モビリティ計画(SUMP・サンプ)」は、市民活動が重要。
公共交通は、社会全体の公共サービスとして公的に支援。
日本のように事業者努力頼みにしないこと。
公共交通を活用したまちづくりの必要性を訴え、中心市街地の活性化は地方財政にもプラスになるとした。
国内で小山市のバスや、ひたちなか海浜鉄道の事例をあげた。
基調講演2人目の森雅志・前富山市長は「多くの自治体は交通政策とまちづくりがかい離している。そうではなく交通はまちづくりのツール。まちづくりと融合させる視点が大切。交通単体で議論するものでない」と強調。
富山ライトレールで知られる富山市を事例に挙げた。
公共交通にある程度の公費投入。
沿線への緩やかな人口移動で拡散を止める助成政策。
中心市街地の地価が下がらないようにする政策で、リターンの多いところへ投資。
市民には不均衡とも思える選択的な政策を行った。
富山ライトレールは、JRの運営時に1時間1本から、市の第三セクターになった時点でサービスを向上。
15分に1本、朝夕は10分間隔するなどしたことから、利用者が平日2倍、休日は4倍に増加。
65歳以上は100円にし、外出する人が増え、市民の多くがシビックプライドを向上させ、人を呼び込むことになった。
固定資産税・都市計画税は、平成24年度と令和4年度で約13%増え、市の財政にプラスとなった。
京都大学との研究で、交通と健康モニタリング調査分析を行った。
結果は、公共交通利用者の方が、歩行数が多く「医療費削減効果」があったとの結果があったことを披露した。
パネルディスカッションは、ファシリテーターが宇都宮教授のほか、森前富山市長、阿部県知事、しなの鉄道の岡田忠夫専務、上田電鉄の國枝聡常務、上田バスの舟見哲也専務、千曲バスの白鳥明営業本部長、土屋陽一上田市長、上田ビジョン研究会の藤川さんで行った。
冒頭、阿部知事が「4月から交通政策局をつくる。長野県を元気にするのに交通は極めて重要。昔は国鉄で国が運営していたが、民営化しても発想や仕組みがあまり変わっていない。事業者に過度な負担がかかり、事業者と国の関係はこのままではいけない。県ももっと税金を投入しないといけない。現状のままではもたないので、システムを変える必要がある。上田市は、3線の鉄道があり、さまざまな可能性がある。上田から公共交通のまちづくりを考えないと、一体どこで行うのか」と述べた。
事業者各社からは、かなり厳しい経営状態の実態や、運転手確保の難しさなどの現状が語られた。
阿部知事は「各省庁は一生懸命しているが、これは国民的コンセンサスで変えないといけない話。国と地方の権限で、地方にほとんど権限がない。オールジャパンのルールを問い直さないといけない。行政と事業者の関係性も、補助金を出す側、出される側の関係性ではなく、一緒に地域交通を考えるパートナーという形に変えたい」と語り、県民や国民に考えてもらいたいと訴えた。
森さんから「当面どうするかの問題がある。できるのであれば、一部だけでも上下分離を考えるべき。軌道を市が引き受けると、固定資産税が入らなくなるという議論も出るが、沿線に投資が生まれる」と語った。
事業者からは、補助金のあり方への問題点、運転手が憧れの存在になることや、小さなことでもできることを行う、上下分離の勉強、県のイニシアティブ発揮などの話しもあった。



