<トップインタビュー②> 信州ハム㈱=上田市下塩尻= 堀川善弘社長(63)「第3のブランド構築目指す」
テーマ:ひと

1941年創業の信州ハム㈱はハム・ソーセージの製造、販売で消費者ニーズをつかむ。
昨年9月からトップの重責を担う堀川善弘社長は23歳で入社し、ひたすら営業畑を歩み営業本部長、常務取締役など歴任した。
就任4カ月目の堀川社長に経営戦略を聞いた。
―社長就任にあたって
少子高齢化や人口減少、新型コロナ、気候変動、物価高、エネルギーコスト高騰など社会情勢が激変し過去の常識、知識が全く通用しない中での引き継ぎでハードルは高いが、100周年を目指して「キラリと光る企業」にすべくスピード感をもって経営にあたっていきたい。
―経営方針は
昨年7月から3年間の中期経営計画を愚直に確実に進めたい。
まずは人材育成。学び、考え、実践し、常に新しいことにチャレンジし、社会貢献できる社員を育成したい。
新部署の人材開発課を立ち上げて長期的な視点で人材の採用や育成を計画していく。
現在は、ドイツの国家資格である食肉マイスターが3人いるが、製造メーカーとして職人を、どんどん育てていきたいと考えている。
―商品開発について
2大ブランドである「グリーンマーク」「爽やか信州軽井沢」に次ぐ、第3のブランド構築を目指す。
信州の自然や気候が育んだ畜産物や農産物を使って健康とおいしさを追求した商品を地元企業と「協創」して開発したい。
第1弾として、昨年末に県産豚肉のロースハムを2000本限定で販売し、予想以上に好評だった。
当社の商品はお客さんに「指名買い」していただいている。消費者の信頼を裏切らない、なおかつ満足していただける商品を作らなければならないと思っている。
75年に発売を開始した無塩せき商品「グリーンマーク」は、広く認識されるようになってきている。
―「新型コロナウイルス感染症」の影響
コロナが蔓延したこの3年間は、仕事もオフもコミュニケーションがとりにくく、社員の精神的、肉体的な苦痛は大きかった。
企業力は目に見えて低下したと認識しており、早急に再構築しブランクを取り戻したい。
―SDGsの取り組みについて
2021年に県のSDGs推進企業に登録され、食品メーカーとして廃棄ロス削減などエシカル消費を推奨している。
また、工場の休憩用スペースのモニターで社内で作成した啓発動画を流すなど、会社の取り組みを全社員に周知するよう努めている。
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売り手と買い手が共に満足し、社会にも貢献できる「三方良し」の経営をしていきたい。
自宅は上田市。
夕食後に愛犬の散歩をするのが日課で、歩きながら1日を振り返る貴重な時間になっている。
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資本金1億円。
年商約153億円(2022年6月期)。
従業員440人。