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<トップインタビュー③> ㈱ナフィアス=上田市常田3= 代表取締役・渡邊圭氏(36)取締役・大澤道氏(37)「医療向けマスクなどで飛躍」

テーマ:ひと

【渡邊氏(左)と大澤氏】

 上田市常田3、信州大学繊維学部発ベンチャー企業「㈱ナフィアス」は、ナノファイバーを活用した研究、開発、製品の製造、販売を行っている。
特に「医療向けのマスク」などの販売で、飛躍的に業績を伸ばしている。
 代表取締役の渡邊圭氏と取締役の大澤道氏のツートップに聞いた。

 福島県出身の渡邊氏と北海道出身の大澤氏。
 2人は「ナノファイバー」の研究で知られる「機械・ロボット科機能機械学コース」、金翼水教授の研究室で学んだ。大澤氏は1学年上。
 ※ナノファイバーとは1本の直径が100nm以下の極細繊維。nm・ナノメートル。1nmは1ミリメートルの100万分の1。

 渡邊氏が博士課程修了後、同大研究員を経て、支援者と共に㈱ナノアでナノファイバー事業をスタート。
当時、米国半導体製造装置メーカーに就職していた大澤氏をナノアに誘った。
ナノアでは、1年ほどナノファイバーの製造装置や不織布、マスクの製造販売を行った。
しかし、より研究開発を重視するため、大学内の産学連携施設(Fii施設)で、ナノアから事業譲渡を受ける形で2人が役員となりナフィアスを設立。
設立のため日本政策金融公庫から融資(資本性ローン)を受けた。
 当時「大学発ベンチャー」の言葉はあったが、信大には「大学発ベンチャー」を認定・支援する制度はまだなかった。
信大発ベンチャー認定制度は2018年から。

 ―販売している製品について
 マスクを4種類、自動車用のフィルター(ナノファイバーをコーティングする加工受託)、共同開発、ラボ用のテスト製造装置を販売。
販売量が多いのは医療関係で使用される米国NIOSHの規格認証品「N95マスク」。
 国内大手企業の販売するマスクにもフィルターが採用されており、全国の医療機関で使ってもらっている。
民生品でも大手国内企業の製品をデザインから全部行って納品している。
 マスクはフィルター供給も含めて年間1000万枚以上になる。
 元々、国産のN95マスクは少なかった。
2018年にできたので当時は市場が小さく、病院に出向いて営業した。
N95の認証は現在、何時通るか分からないといわれており「新型コロナ」以前から認証されていたのが大きかった。

 ―今後の展開ついて
 企業として認知され「コロナ」が収束しても市場のベースラインが上がると思うので、マスク製造は続けたい。
ナノファイバーを含め新しい素材で、商品を開発し、世の中に提供したい。
 次のものに取り組みたい。
 細くて軽いナノファイバーは、さまざまなものを柔軟でコンパクトに、少資源でできる。
 高機能なものを何に使うか、共同研究で蓄積しているものもあるので、年内にも製品化したい。

◇  ◇

 資本金は269万円余。
 直近の決算で約6億円。
 従業員数は役員含めて5人。役員2名とパート3名。
 販売や問い合わせはホームページから。
https://www.nafias.jp/lp/air_m1/?gclid=CjwKCAiAoL6eBhA3EiwAXDom5tDRGjfIUSC-QxUBFflMWbbOg3IkSg1XwqlkXYfCg0gS5XYk8_YvoxoCVc0QAvD_BwE