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<トップインタビュー⑥> シナノケンシ㈱=上田市上丸子= 金子元昭社長(71)「医療やロボティクス拡充、宇宙関連も」

テーマ:ひと

 上田市上丸子のシナノケンシ㈱は、モータを主軸に「ASPINA(アスピナ)」をコーポレートブランドとして世界展開し、米国やメキシコ、ドイツ、インドの社名をASPINAに変更している。
 昨年から激変する世界情勢からの影響や今年の展望などについて金子元昭社長に聞いた。

 ―世界的な金融の波や戦禍、物価高などの影響は
 サプライチェーンの混乱があり、原材料価格の高騰を受けて、収益的に厳しい面もあったが、米国市場が強く、中国や欧州は伸びが低くなった。
急速に円安が進み、混乱もあったが海外販売の比率が高いことから、円安は有利となった。売上高としては堅調になった。 
 サプライチェーンの混乱は、部品不足や船による輸送手段の不足、電力、作業者などで不足が発生して、日々の管理が大変だったが、お客さまや供給企業との協力関係で、乗り切ることができた。

 ―今年の展望で、事業展開に力を入れる分野や製品は
 欧米では中央銀行が金融引き締めを継続しており、景気は低迷、一方、中国はゼロコロナ政策の解除による感染で集団免疫ができ、景気は上向きになると期待している。
 事業展開では、質的に成長させ、高付加価値の商品を拡大し、製品構成を変化させて継続的に賃金上昇を可能とする体制づくりがポイント。
 そのため、医療・呼吸器系やロボティクスを拡充し、宇宙関連もビジネスにつなげたい。
宇宙関連は、低軌道に打ち上げる数多くの小型の人工衛星に搭載する姿勢制御装置。

 ―現在、建設中の新社屋について
 第1期工事が来月完了し、事務と厚生棟が移転する。
5月頃から研究開発棟の工事が始まり、完成は来年夏。
 その後、建物解体などを進めて、2025年夏にはすべて完成する予定。
同じ敷地で建て替えているので時間がかかる。
 研究開発のために静かに考えられる空間も含め、快適で働きやすい環境を整備する。
 新しいコンセプトに基づくオフィスレイアウトに加え、新社屋に集結することで「創造力を活かして自由な発想で働ける場」が期待できる。

◇  ◇

 1918年創業、資本金6億5000万円。
 従業員数は国内約850人、グループ全体で約4000人。
 2022年2月期の年間売上(連結)は443億円。