㈱キャステク=青木村= 増田公男社長(79)「生き残りには人材確保や先手の対策」
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戦後まもない1946(昭和21)年に創業した青木村の㈱キャステク。
主力は合金鋳造、加工・組立。
多品種少量生産の大型で複雑な形状の難易度の高い顧客要望に対し、高い技能を発揮。
大手建機メーカーなど日本を代表する企業からほぼ独占的に受注される企業へと成長した。
創業から77年目となった今、同社の舵取りをする増田公男社長(79)に、厳しい時代の生き残り戦略を聞いた。
―経営理念
「目標・目的に対して目前の問題を絶えず提起し、早期解決」。
―昨年の実績
昨年は本社工場の面積を拡張するため従来の工場の一部に新築し、約3倍の面積とした。
ここに1・5トンの溶解炉を導入。
さらに、丸子工場に機械加工機を導入するため工場を増設するなど先行投資の年だった。
受注も安定し、好調だった。
―課題
敗戦後日本は自動車、二輪車をメーンに産業と経済を牽引してきた。
しかし、世界共通の課題となっている「カーボンニュートラル」を目指す動きが挙げられ、電動化が急速に加速している。
時代の変化に伴う顧客のさらなる開拓と提案型営業の推進が重要となった。
技術の伝承、継承、人材確保。そして原材料、副材料、電気、油、輸送費、食糧等々の大幅値上がり対策も大きな課題だ。
―今後の展望
顧客は70社。
業種別売り上げの割合は建設機械関連52%、電力機器11%、鉄道・車両関連9%、医療機器関連5%だが、この4分野をさらに増やす。
一方、利益の薄い受注を減らし、純利益を大幅に増加させる。
材質別売り上げは、鉄関係が現在10から12%だが、30から40%に引き上げる。
これは次世代、新分野の受注が増加するためで既に大手企業から受注がある。
〈生き残れる企業〉
世界的な産業構造が大転換期に突入した。
技術的優位は勿論だが、生産設備や高度な検査設備を備え、それを使いこなせる優秀な人材を既に確保しているか、あるいは、今後人材を早期に確保できる企業のみが生き残ることができる。
日本は鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、レアメタルなどの資源が乏しく、石油、天然ガスなども他国に依存している。
食料自給率も40%を下回っている。
日本人は、世界中の誰よりも努力し、考え、素早い行動を心掛けないと生き残りはできないであろう。
企業の条件は、他社もみな同じだ。先手の対策を打つ企業が生き残れるであろう。
◇ ◇
売上高、16億5千万円。来期は21億円を目指す。
資本金、7605万円。
従業員、100人