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<トップインタビュー⑫>株式会社アヅマ=東御市和= 清水初太郎社長(76) 「小ロット多品種、高精度のものづくり」

テーマ:ひと

 東御市和の株式会社アヅマは「スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)」や「汎用プラスチック」「アルミ」などの切削加工を手掛ける。
 創業は昭和48年。
 現在の営業品目は、電子機器部品、OA機器部品、医療機器部品、自動車部品、半導体製造装置部品など多岐に渡る。
 受注製造に加え、試作研究や開発にも取り組んでいる。
 取引先は長野県内外で、大手企業も多い。
 清水社長は、ファインセラミックスの焼成や加工を手掛ける「アヅマセラミテック」も営んでいる。

 ─強みや顧客ニーズ
 小ロット多品種、高精度のものづくりで、お客様の要望に柔軟に応えている。
 長年培ってきた技術力とノウハウで、シンプルなものから複雑なものまで幅広い製品を産み出すことができる。
 切削加工の強みで、少数の受注に対応可能。多くの数量が必要であれば成形すればいいが、ごく少数の注文や、発注者が成形体制を整える時間がないケースも引き受けることができる。

 ─近年の業績は
 好調と言える。
 昨年は半導体装置関連や電子関連の部品が良好だったこともあり、前年比で約20%売り上げが伸びた。
 アヅマセラミテックも同分野の製品が好調で、売り上げは25%近く伸びた。

 ─社会情勢の影響は
 昨年は原材料不足に苦しんだが、まだ今年も続きそうだ。
 材質によってはいつ生産できるか分からない状況に陥ってしまうため、受注した品物に影響が出ないように、常に先を見越して手を打たなければならない。
 物価については、企業物価指数を参考にして決める売値をお客様が認めてくれるかどうか。それに関わらず、人件費を上げていく必要もある。
 そのバランス調整は課題。

 ─労働環境は
 従業員は東御、佐久、上田などから集まる。
 全国的には人手不足が深刻化しているが、当社としては必要人材の確保はほぼできており、離職率も低い。
 この要因は、一人・一品の仕事のやりがい、きれいな環境作り、従業員への還元、定年延長などが考えられる。
 年に2回は業者に依頼し音や空気中不純物などを調べている。
 利益が伸びれば還元しており、昨年は3回の賞与を支給した。
  定年延長も順次進めている。

 ─今後の重点事項は
 引続き安定受注が必要と考えている。
 景気の波があるため、さまざまな業種との取引や、お付き合いをして、間口を広げる。
 あわせて、若い技術者を育てるとともに、無駄が出ない加工など業務の合理化を進める。
 求める人材は、多種多様な事業に対応可能な、発想の転換ができて応用力のある技術者。

 ─会社としての地域での役割は
 企業規模に応じて行政への協力もしなければいけないと考えている。湯の丸高地トレーニング施設の支援も行った。
 今後は、脱炭素社会推進にも本腰を入れ、行政の取り組みには会社としても商工会としても協力する考え。
 ほかにも、市役所や会社周辺のごみ拾いなど、奉仕活動を行っている。

◇  ◇

 東御市和に本社と工場を構える。
 資本金3000万円。
 従業員は約80人。