楽しむまちこもろ㊦<最終回> 一年間で29組が68の多様な催し「まちタネ広場」
テーマ:小諸市ニュース

「小諸の楽しいが始まる場」―。
小諸市大手の大手門公園「まちタネ広場」はオープンから昨年12月までの約1年間で29組の団体・個人が活用、計68のイベントやワークショップが開催された。
市民らが自分の思う使い方や過ごし方を試しながら一緒につくる広場で、自由度の高さや楽しさから、地域住民や移住者をはじめ、移住を考えている人や来訪者らの交流も生まれた。

同12月には、移住者のCAKES代表、黒木幸太さんらも企画し、初めてのクリスマーケットを開いた。
クリスマスツリーとともに、温かいフードやドリンク、オリジナルグッズなど13店が集まり、子ども企画やワークショップなど、盛況のうちに幕を閉じた。
「地域との触れ合いを通して、自ら企画するといった主体性を体感できる楽しい機会」と話すのは㈱URリンケージ(東京)の乗松知世さん(25)。
同社の若手6人を率いて、同イベントに参加。
子どもたちのスモア体験や会場スタッフとしても奮闘した。
「若手には、地域とのコミュニケーションから学び、仕事に生かしてほしい」と見守るのは同社の遠藤徹さん(51)。

同社は小諸市から委託を受け、まちなかで市民が主体的に活動できる実験的広場を構想、一昨年10月に「まちタネ広場」をオープンした。
◆市民が活躍する実験的な広場
「週末にまちへ行く用事がない、家族や子どもで楽しめる場がない」などの住民らの声もあり、市民ワークショップでは、自分たちが使ったり過ごすならどういった広場がいいか、意見を出し合った。
自分だったらこう使うといった具合に多様な意見が集まり、オープン時にはそれを一つに決めるのではなく、いろんなことを社会実験でやった。
「使い方を決めない、使っていく中で決めていく広場。空間をシェアしていろんなことを同時にできると気付いてもらえた」と遠藤さん。

同広場で開催されるイベントやワークショップは、バリエーションが豊富。
マルシェやマーケット、子ども企画や健康、癒やし、プロレス、バル、花火や夏祭りなど多種多様。
どれも盛況で、なかには1日で1600人を集客するイベントもあった。
安曇野出身だという遠藤さんは「長野県は引っ込み思案な県民性だといわれるが、これだけ主体的に使ってくれる人がいて驚いている」。
「子どもや家族連れがたくさん来ている。地元の人が子どもたちのために企画したり、移住者の人たちがつながって、ここで楽しもう、楽しませたいといったことが起きているのかもしれない」と思い巡らす。
市民の活躍の場ができ、関係人口が増え、横でつながり、自分たちが楽しんで、まわりも楽しそうだから一緒にやりたいと人が集まってくる。
まちの〃ヒト・コト・モノ〃が、ひとりでに連鎖しだしているようだ。
「広場をスタートアップにまちなかへと活躍の場が広がっていったら」―。
◆eggがつなぐ人とまちと広場

まちタネ広場の出口には、eggが1台停まっていた。
イベントをあとにしようとする親子の姿があり、子どもがeggを見て駆け寄っていく。
「乗ってみる?」と、優しい声をかけるドライバー。
母親がすみませんと近づくと「どこか行きたいところありますか?」とドライバー。
「これからツルヤに歩いて行くところですが」と母親が答えていると、子どもはもう乗り込んでいる。
「いいんですか?」「ええ、いいんです」というと、eggはドラマの予感を乗せてまちなかへと向かった。
◆まちタネ広場で開かれた企画
朝の環、体験の環、ハイカラコモロマルシェ、無料手持ち花火大会、モルック、無料焼き芋大会、ゆるっと!みんなで夏祭り、小諸ふれあいフェスティバル、まちタネヨガ、まちタネフリマ、ビオマルシェ、こもろ癒やし・健康フェスタ、Komoro Classic Meeting、ASAMAYA MARCHE、まちタネシネマ、しなの鉄道イベント、まちタネ水遊び、演奏会、ねこマルシェinキッチンカー祭り、積み木を使った大型作品のデモンストレーション、Loppis Komoro、体験演劇ワークショップ、キッチンカーのお試し、あおぞらバル、フリーマーケット、ウォーキングスタンプラリー、サウナで語ろう!ゆるゆる!駅前サウナ交流会、アートウォールライブイベント、小諸の食×職の未来をつなぐ こもミラ2022、小諸ボンバイエ×信州プロレス、創造する遊び―など