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上田市の信州大学繊維学部発のベンチャー企業「(株)ナフィアス」が、信州大学繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)へ100万円を寄付!

テーマ:上田市ニュース

【ナフィアスからの寄付金贈呈式。左から大澤、渡邊、森川、村上の各氏】

 信州大学繊維学部発のベンチャー企業「㈱ナフィアス」=上田市、渡邊圭社長=は、このほど「信州大学繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)」へ、100万円の寄付を行った。
 贈呈式を同学内で行い、渡邊社長から森川英明学部長に目録を贈呈した。
 信州大発のベンチャーが、Fiiに対して寄付するのは初。

 ㈱ナフィアスは、極めて細い繊維のナノファイバーテクノロジーに特化した研究開発型の企業で、2015年に設立。
信州大発のベンチャーの草分け的な存在。
高機能マスクなどを販売しており、今年度の文部科学省大臣表彰の科学技術賞を受賞している。
Fiiは、学部内に2011年開所、繊維に関する試作品製造、機能評価の設備があり、企業のニーズに応える産学連携ができる。
プロジェクトスペースやラボなどの貸し付けを行っている。
 ナフィアスは、Fiiに本社を置いている。

 贈呈式には渡邊社長、大澤道取締役が訪れた。
 
 渡邊社長は「2005年に繊維学部に入学し、博士課程までおり、ナノファイバーの素材に出会い、実用化に向けて研究していた。Fiiにはその中に入れる設備からで、ナフィアスとしては2015年からになりますが、製品開発し、会社として独り立ちできるようになり、感謝の気持ちを込めて大学に寄付したい。産学連携を加速させるようなことに役立ててほしい」。

 森川学部長は「貴重な浄財をありがとうございます。産業が大きく変化する中で、スタートアップをどうつくるのかが重要。大学発のベンチャーをどのようにつくるかが課題。繊維学部でも人材育成して生み出そうとしてきたが、その1番目のモデルケースがナフィアス。2人の活動を見せていただいていましたが、非常に柔軟に市場の求めに応じ、新たな技術開発も入れて製品化につなげている。現在、繊維産業が県内にほとんどないが、新たな形で時代に合わせた繊維産業が広がり、そのコアになってほしい。寄付は後輩たちの学生が、スタートアップできる環境づくりに使いたい」。
 
 村上泰産学官連携室長は「ナフィアスとFiiはちょうど歴史が重なっている。Fiiのレンタルルームは当初、本拠地が別にないと入居できない制約があったが、大学発ベンチャーのため制度を変えた。製造のマザーファクトリーをFiiにつくり、ベンチャーの中でも大きな階段を登った。大学として協力できることを今後も一緒に行い、さらに飛躍してほしい」とそれぞれ語った。
 
 森川学部長から感謝状をナフィアスに贈呈した。