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上田市の「信州大学繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)」と、京都市の「京都工芸繊維大学繊維科学センター」が、新たな協定を結ぶ!

テーマ:上田市ニュース

【連携協定締結式の出席者。
左から梶原、村上、森川、横山、奥林の各氏】

 上田市常田の「信州大学繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)」と、京都市左京区の「京都工芸繊維大学繊維科学センター」が、新たな協定を結んだ。
 今回の協定は、環境に配慮した繊維分野や教育、人材育成など包括的な連携協定。
 信大繊維学部で協定書の調印を行った。

 信大と京都工芸繊維大は以前から次世代繊維・ファイバー工学の人材育成などで連携協定するなど、繊維分野をけん引する大学として以前から連携を行っている。

 今回は、経済産業省が示す「繊維技術の2030年展望(繊維ビジョン)」の達成に寄与するために連携し、繊維分野の発展振興を目指す。
 新たな繊維製品の開発やさまざまな技術課題の解決、事業化につなげるため、産学官連携、国際連携、異業種連携などを進めるための「オープンプラットフォーム」を構築。
 オープンプラットフォームによる事業化促進で、中小企業のDX、IoT化、技術データベースを支援。
 2030年には「繊維サステナビリティセンター」として機能拡張を目指す。

★協定では
 ▽環境に配慮した繊維分野の仕組みの構築と課題可決
 ▽教育の相互支援
 ▽社会人の人材育成
 ▽国内外の情報交換ーなどを連携・協力する。

 調印ではFiiの施設長で森川英明学部長や副施設長の村上泰産学官連携室長、梶原莞爾コーディネータ、京都工芸繊維大学繊維科学センターの横山敦士センター長と奥林里子副センター長が出席。

 Fii施設長の森川英明学部長「日本の近代化を支えた蚕糸業を両大学が日本の柱となりながら、研究、人材育成、実業とつながった産学連携で支えてきた。繊維は衣服だけでなく航空宇宙、メディカルなどさまざまな分野でなくはならない分野で、(繊維の産学官連携で)新たな枠組みが必要だと思っている。欧州など海外では繊維の分野が活発な動きになっており、持続可能な社会に向けた課題解決のため繊維が重要になっている。(信大と京都工芸繊維大)両方の資源を合わせて補完しながら新たな国内での取り組みを進める、急進力を持ったプラットフォームにし、国内の連携を今後進めたい」。

 京都工芸繊維大学繊維科学センターの横山敦士センター長は「京都工芸繊維大学は工芸、芸術に近い分野も母体になっている大学で、工業と芸術が一緒になり、デザインも含めたユニークな大学。今、注目しているのは、産業のイノベーションで環境対応。今回の連携協定で、そのような部分で協力できる場をつくり、繊維産業の新たなイノベーションを考える、ありがたい機会」と、それぞれあいさつした。

 すでに両大学では一昨年から繊維分野の社会人向けの教育公開講座で、DXや環境対応、国際化の内容で共催。
繊維分野が先進的に環境課題を解決する取り組みが始まっている。

 オープンプラットフォームは「システム」「デザイン」「評価(LCA)」「技術」の4種類のプラットホームにより産学官連携する「繊維サーキュラーオープンプラットフォーム」を構築。
研究プロジェクトやビジネスへの展開、連携教育コースの充実を目指す。

 欧州で始まっている繊維などの「トレーサビリティのフォーマット」の動きに遅れをとらないよう共同研究、調査を行う。
 日本には、先端技術を磨く点のプロジェクトは多くある。
サスティナブルな社会の標準化のため、それらを結ぶ産学官のプロジェクトが必要になっているという