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上田市が「武石スマートシティ実証プロジェクト」を行う!自律運転によるドローンを使用。

テーマ:上田市ニュース

【災害状況の把握のため上昇するドローン(武石地域総合センター屋上)】
【物品を載せて武石診療所に到着するドローン】
【指揮本部での様子】
【ノリ薬局たけしでの物品を積む様子(中継映像)】
【届いた品物の受け取り武石診療所】

 上田市は、13日「武石スマートシティ実証プロジェクト」を行った。
 自律運転によるドローンを使用。
 災害時を想定した被害確認や、薬局から診療所までの医薬品を輸送する実証実験を、武石地域総合センターに本部を置いて行った。

 実証プロジェクトは、長野市の相馬商事㈱が受託。
 同社は、実績のある東京都の㈱トラジェクトリーと連携。
 実証実験のため、あらかじめドローンによる空撮を行い、飛行するエリアの3次元地図を作成した。
建物や構造物を把握し、田畑や河川などの上を安全に飛ぶように設定している。
 
 ドローンの運航は、長崎県対馬市にあるコントロールセンター(TRJCC)からリモートで実施。
遠隔地からのコントロールは、近隣からは難しくなる大規模な災害を想定したもの。

 実証実験本部には複数のモニターが設置され、下村孝之センター長が指揮した。
相馬商事からドローンなどの統括マネージャー、荒井佑輔さんらや、トラジェクトリーからは、TRJCCのゼネラルマネージャーの新原桃子さんが参加。
 実証実験の様子は、上田薬剤師会や市議らも見守る中で行った。

 災害の状況把握では、武石地域総合センター上空、下武石ライスセンター周辺の上空、ノリ薬局たけし周辺の上空の3カ所で3機のドローンを使用。
ドローンから撮影された映像を本部のモニターで確認した。

 道路陥没で通行不能を想定し、武石診療所が必要とする医薬品を、ノリ薬局たけしから送る輸送実験では、片道約3㎞を往復。
 使用したドローンは、物流機で縦横730㎜、高さ240㎜、重量4・5㎏。
積載できる箱のサイズは縦横200㎜、幅100㎜。
最大積載量は3・5㎏。
 
 診療所前から飛び立ったドローンがノリ薬局に到着すると、ノリ薬局側で医薬品に見立てた物品を箱に入れ、ドローンは自律運転で診療所まで無事戻った。
 診療所離陸から戻るまでに29分だった。

 実証実験について下村センター長は「武石地域では令和元年東日本台風で孤立地域が発生した。それを教訓にドローンの活用を実験し、想像以上にスムーズにでき、実用化に向けて大きな前進となった」と成果があったとした。
 今後も災害を想定して、被害状況の把握や復旧に向けた見積もりも含めて、ドローン活用の実証実験を計画している。