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上田市教育委員会が「史跡上田城跡整備専門家会議」をオンラインで開く!「武者溜まり」発掘調査、江戸の地表面か?

テーマ:上田市ニュース

【オンラインで開いた専門家会議】

 上田市教育委員会は19日「史跡上田城跡整備専門家会議」を、オンラインで開いた。

 市教委生涯学習・文化財課の和根崎剛・上田城跡整備担当政策幹は、11月から行っている。
旧市民会館や駐車場一帯にあったとされる「武者溜まり」の石垣や土塁などの痕跡を確認するための発掘調査について報告した。

 試掘抗を12本設定してトレンチ調査を行う計画だった。
しかし、寒さで現場の土が凍り作業が思うように進まなくなったため22日までで一時中断。
 来年3月に追加の調査を実施する方針とした。

 これまでの発掘調査の結果、二の丸橋よりの場所で現在の地表面より1・2m下に史跡面(江戸時代)の可能性がある地表面を確認した。
ここをさらに20~30㎝掘り下げると上田泥流層となるため最下層の地表面とみられる。
 現状では。搬出遺物等が全くないため、はっきりとは時期を判定できない。
しかし、平成24年にこの近くで実施した発掘調査では同じように1・2m下から根固めと思われる遺構が出ているため「概ねこの辺りに史跡面が存在するのではないかと考えている」とした。

 このトレンチは砂を充てんした上で埋め戻し、来年度にかけて進める発掘調査でさらに時期判定の検討を行っていく。

 また、大正12年から昭和37年に存在した上田市公会堂の石積みと思われる遺構を確認。
石積みの下には基礎とみられる角礫が敷き詰められていた。これについては「近代以降の遺構だが、二の丸が公園化に大きくかじを取っていく時期のものであるため、土をかけて現地で保存したい」とした。

 冠塀台石垣があった付近で確認した時期不明の集石については、3月の再調査でここを中心に平面発掘を行う方針を示した。

 次回の専門家会議は、来年3月を予定する。