上田市内最古の木造仏など5件を「市指定文化財(有形文化財・美術工芸品)」として指定する「答申」を行う! ★上田市文化財保護審議会
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上田市文化財保護審議会は、市内最古の木造仏など5件を「市指定文化財(有形文化財・美術工芸品)」として指定する「答申」を市役所で行った。
年内には指定の手続きが完了する見込み。
上田市の市指定文化財の追加は、平成28年以来で、今回を含め指定累計は240件になる。
答申のあった5件は、刀が「1口(ふり)」、木造仏が「4躯(く)」。
答申を行った児玉卓文会長は「平成28年から市内全ての仏像の悉皆調査をして、新しい発見のあったたくさんの中から、特に早期に指定をして、市民の皆さんに素晴らしいものが上田市にあることを知ってもらいたい」とした。
刀は、上田市常磐城の個人蔵で、江戸後期で現在の東御市赤岩出身の刀工、山浦真雄による長さ75・5cm。
刀銘に「嘉永二年二月於信州上田 山浦昇源正雄作之」とある。
嘉永2年は1849年、上田で鍛えたことが確認できる数少ない刀で、保存状態は良好、大変貴重だと評価。
刀を担当した堀内泰委員は「実力がよく出ているのは上田時代と言われ、上田で打ったことがはっきりしており、文化財として価値のあるもの」とした。
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◆木造仏像は
・上田市前山、前山寺の「木造大日如来坐像」
・上田市神畑、神畑自治会の「木造薬師如来立像」
・上田市常磐城、芳泉寺の「木造阿弥陀如来坐像2躯」。
前山寺の木造大日如来坐像は、本尊として本堂に安置。
高さ70㎝余の寄木づくり。
鎌倉時代にみられる髪際が大きく湾曲する宋風の髪型。
細かく入念に彫られた毛筋や衣全体に、金箔などを用いる「截金(きりかね)」の細かな文様が施され、全体的に完成度が極めて高く見事な像。
13世紀前半から中頃の作。
神畑自治会の木造薬師如来立像は、超誓寺本堂近くに移転された神畑薬師堂の本尊で、厨子入り。高さは約59㎝。
吉祥天のような唐服の珍しい作例で「吉祥薬師」などと言われる。
制作時期は、9世紀の名残のある10世紀前半と考えられ、市教委で把握している木造仏像では最古。
芳泉寺の木造阿弥陀如来坐像2躯は「本尊」と「裏本尊」。
「本尊」は、高さ87㎝余、12世紀後半の制作と見られる。
芳泉寺は、仙石氏の菩提寺の名称で、前身は常福寺。
上田城築城当初から現地にあり、真田信之が小松姫の菩提寺とするため、大英寺と改称、本堂を建て替えた際に迎えた本尊と考えられる。
上田市内で中世にさかのぼる等身以上の作例はあまり多くなく、真田信之に関わる歴史的な価値もあるとされる。
「裏本尊」は、高さ約35㎝。
浅く穏やかに整えられた衣文線などは平安後期の「定朝様(じょうちょうよう)」の特徴がみられるが、顔つきなどに鎌倉が感じられ、12世紀後半の制作とみられている。
本堂に安置されている。
仏像を担当した小倉絵里子委員は、木造薬師如来立像について「全国的にかなり珍しいタイプ。如来の服装ではなく、唐服を着ているのが特徴。悉皆調査の中でも一番注目された作例」と話していた。
答申を受けた酒井秀樹教育長は「大変ご苦労いただいた。教育委員会してしっかり協議したい。(答申5件の説明に)ワクワクして聞いていた。当時の方々の思いが伝わり、大切に受け止めたい」と語った。



