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長野県が上田市で「しあわせ信州移動知事室」を行う!「子育てと少子化について」をテーマに、阿部守一知事と市民が意見交換。

テーマ:上田市ニュース

【上田市役所での対話集会】

 長野県は11日と12日の両日、上田地域で「しあわせ信州移動知事室」を行った。
 12日には上田市役所で「子育てと少子化について」をテーマに、阿部守一知事と市民が意見交換など行った。

 12日は、上田市の「稲倉の棚田」がある農村交流館や、青木村の「五島慶太未来創造館」を視察。

 市役所には、事前に申し込んだ市民が参加。
 土屋陽一市長も出席した。

 阿部知事は、東御市の対話集会と同様、冒頭で3期目が県民との対話が少なかったことを反省し、対話をして共に創造する取り組みをし、一緒に問題を共有する対話にしたいと前置きした。
「子育てと少子化について」のテーマ設定について土屋市長が説明。

「未来を見据えて持続的な発展のため極めて重要な課題」とし、市で少子化対策プロジェクトを進め、原因分析と取り組みの検討をしているとした。

 ▽市内の男性から 少子化や教育など全般的な質問と提案などがあった。
 阿部知事は、少子化の問題について「少子化対策というと、世のため、人のための対策(の意味合いが)強すぎるのではないか。誤解されていると心配している。アンケートなどを見ると、結婚したいが結婚できないがあり、日本は婚外子がなかなか認めてもらいにくい環境のため、結婚と少子化は近い関係にある。結婚できない若い人たちが大勢いるのは大きな課題。本当は2人目、3人目を持ちたいが、1人目で止めるのも課題。何が言いたいかといえば、一人ひとりが、自分らしく幸せな人生を送れているのか。送れていない結果が、子どもの数が少ないことに現れているのではないかというのが私の問題意識。個人の幸せを追求できる社会にしないといけない。憲法にも幸福追求権があるのに行使しているか。行政は幸福追求権が保障されるようにしないといけない。産業分野での問題は人手が足りない、今までと同じようにやろうとすれば、確実に人手が足りなくなる。日本が足踏みしている間に、世界の賃金、活力が上がっている。人口減少は個人と社会全体の問題」と話した。
中公新書から出版の「縛られる日本人(メアリー・C・ブリントン著)」を紹介。
少子化について問題と思うかどうかを、会場に対して質問した。
 問題と思わない人も若干名いた。

 問題と思わないことに挙手した女性(7人の子の親)は「一人一人出産の状況や苦労が違う。一人出産して嫌になる人もいる。男女だけでなく周囲から愛されている状況が大切」。
 「(これまでの世代と違って自由がある反面)自己責任の負担が重く、支援を受けずに自分で抱え込む人がおり、少子化に影響しているように思える」と語った。

 阿部知事は「少子化対策・子育て支援は待ったなしの課題。皆さんからどのようなことを行えばよいか、私にとっての示唆になる意見があるとありがたいが、制度や政策では、今のような問題は変わらない。日本人にすり込まれたことを認識しながら考えないといけない、奥が深い問題」とした。


 ▽市外からの男性から子育てに関わるおむつや給食費など明石市のような無料化の取り組みを要望。
 阿部知事は「県として、子育て支援強化、教育の充実をしないといけない。総合計画を作っているので考えたい。国がすること、県がすること、市町村がすることがある中で、少子化は国がすること。(国が)なかなか進まなければ、子育て支援を、場合によっては税金を徴収してやるべきかと思っているが、賛成してもらえるか、それとも、とんでもないのか意見を教えてもらいたい。同じお金があって、子育てに係る経費負担を軽減した方がよいのか、保育士などの処遇や人材の確保にするのか、議論を深めたい」とした。

★ほかに
 ・学校に行けない不登校の子の居場所、学習支援をしているが、そのような場に行くことで学校の出席扱いにならないかという要望
 ・学校の先生への支援
 ・育児休暇制度の問題点の指摘
 ・子育てに役立つ公園整備や出産できる産婦人科の充実
 ・公害問題
 ・未満児保育の要望に応えられる体制
  ーなど、さまざまな意見や要望だけでなく、知事の悩みを逆に聞く場面もあった。

◇  ◇

 2日間の上田地域での視察や対話について、阿部知事は、長和町の視察から移住者が多い中で活用できる空き家が少ないことについて県としての対策対応。
 椀子ワイナリーでは観光振興・ワインツーリズムの取り組み。
 東御市のミマキウッドラボとの県としての連携。
 稲倉の棚田では継続できるように引き続きの協力。
 五島慶太未来創造館では東急グループとの協力関係構築について言及した。

 対話集会では2市とも不登校問題が出たことから、フリースクールへの支援などを強め、少子化対策では結婚したい人ができ、子育てしやすい環境づくりに力を入れるとした。
 
 子育て支援については、今年中に取り組みの方向性を出すことを示した。

 対話の中で話題となった知事の所管外の問題、教育行政との課題解決に向けたすりあわせは、総合教育会議で取り上げ、国のルールになっている教育や子育ての分権化を考えるとした。

 知事3期目に「台風」や「コロナ」で、対話が思うようにできない期間を経て、今回感じた変化について
 ・3年のコロナ禍で地域が大きくよい意味で変化してきていること
 ・子育てや教育の問題がより大きくなっていると感じたこと
  地域ごとに個性があるので、地域ごとの取り組みの支援を充実させることが必要だ―としていた。