上田市の長野大学社会福祉学部、山浦和彦教授のゼミナール学生が「若者たちへの伝言」を作成!次世代にここにあった戦争を伝える記録集。
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上田市の長野大学社会福祉学部、山浦和彦教授のゼミナール学生7人は、次世代にここにあった戦争を伝える記録集「若者たちへの伝言」を作成した。
地域をフィールドにする「信州上田学」で、太平洋戦争の戦争体験を聞き取り調査。
二度と戦争を起こさないようにするのが目的。
このほど、学内で発表を行った。
山浦ゼミが今年度1年かけて取り組んだ成果。
戦争体験の聞き取りは、塩田まちづくり協議会の協力。
生の証言を19人から得た内容や寄稿、市内にある戦争遺跡の紹介、それぞれが調査研究を振り返っての思いやメッセージが綴られている。
山浦ゼミの学生は、4年生の渡辺康彦さん、3年生の岡田輝さん、工藤千佳さん、篠原隆雅さん、下島佳乃さん、高田一吹さん、宮城佑妃子さん。
記録集はA4判で96ページ、180部作成。
今後、市内小中高の学校や公民館などに配布する。
山浦教授は調査研究について「満州事変、日中戦争、太平洋戦争で未曾有の尊い命が失われた。体験をされた皆さんの生の声を聴くことが高齢化で困難になり、喫緊の課題。ロシアのウクライナ侵攻があり、戦争は人事ではない。日本が体験したことをもう一度掘り起こし、若者たちが語り継ぐことが極めて大切だと考えている。ゼミでは戦時下の日常に視点を定めた。どのように暮らしたかを調査した。二度と戦争をしてはならないことを自分事として考え、多くの皆さんと平和の尊さを共有したい」と話す。
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★体験者の聞き取りをまとめた内容には
▽英語が学べず、気に入っていた高校の制服が着られなかった▽兄2人が戦死、絶対に戦争をしてはいけない。男女問わず良いことは一つもない
▽工場の建設から戦争を実感、朝鮮人が家族連れで村へ来ていた。食糧難で富山県から父の弟家族が来た
▽小学校高学年から体育と勤労奉仕が増え、勉強する時間はほとんどなかった。食糧不足が強く印象に残っている。今の平和な世の中は夢の夢
▽空襲警報のサイレンの時、防空壕がないため、防空頭巾をかぶって家の中にいた
▽当時は国のために命をささげるのは当たり前で、20歳が寿命だと教えられた。戦争はやってはいけません。戦力は持たずに外交一本で行くべきです
▽上田空襲の不発焼夷弾を遊びで火に入れて爆発し、同級生の弟は大やけどを負った
▽東京大空襲を経験、爆撃で吹き飛ばされた人の遺体が電線にひっかかっていた光景が忘れられない。神田川に飛び込んだが、人がいっぱいで川があふれたほどーなど。
証言の掲載では、実名写真入りと仮名がある。
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調査したゼミ生は、一人ずつ発表。
「戦争に対する意識が大きく変わった。教員を目指しており、学んだことを若者に伝えたい」
「これまでの教科書では知ることができないことで、地域に残る戦争を知ることが大切。改めて悲惨さを感じ、戦争体験を風化させてはならないと感じた」
「上田市でも戦争があり、自由が奪われたことを聞き、どれほど戦争がひどいものか強く感じた」ーなどの感想を語った。
現状の日本政府が進めようとしている防衛の拡大については「戦争を体験した当時の人は、知らない間に戦争に巻き込まれてしまったのではないか。自分たちが政治に関心を持つことが大切で、気付いたときには戦争に向かってしまったとならないよう、日常から国内や世界の問題に目を向けることが非常に大切だと思う。日頃からニュースに対して議論することは大学生にとっても大切」と話していた。
今後の活動では、今月中に市内中学校へ学生が訪れて語り継ぐ活動を行う予定。
さらに調査を深掘りし、若者たちへの伝言をどのように進めるか検討するとしていた。



