上田市のため池の”希少植物保全活動”に取り組む「NPO法人信州草原再生」が「日本自然保護大賞2025」で長野県内初の「選考委員特別賞」を受賞! ☆「公益財団法人日本自然保護協会(東京)」
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上田市のため池の希少植物保全活動に取り組む「NPO法人信州草原再生」は、このほど「公益財団法人日本自然保護協会(東京)」の「日本自然保護大賞2025」で、長野県内初の「選考委員特別賞」を受賞。
同協会による授賞セレモニーが、同市のまちなかキャンパスうえだで開かれた。
選考委員による講評や表彰、活動紹介など行った。
日本一の自然保護、生物多様性保全活動を選ぶ日本自然保護大賞で11回目。大賞(3部門)に3団体、特別賞は2団体が受賞した。
戦国末期から江戸時代にかけ築造された上田のため池の堤体(土手)には古くからの草原生態系が維持されいることに着目。
ため池の耐震改修工事で失われてしまう希少植物を守るため、筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所の故・田中健太准教授を中心に勉強会や自然観察会など開いて住民主体の保護活動を展開。
昨年2月に同法人を立ち上げ活動を広めた功績が高く評価された。
同法人理事で塩田まちづくり協議会地域振興部会長の関田裕道さん(73)がこれまでの活動経緯を説明。
東日本大震災などをきっかけに国は地震時に決壊して甚大な被害を及ぼすリスクが高い「ため池の耐震改修」を推進。
市内でも耐震調査や補強工事が順次進められるなか、塩田まちづくり協議会では工事で堤体が削られると在来植物が全滅してしまうのではないかと危惧し植物保護の検討を行い、2021年に田中准教授に依頼して勉強会を開いたのが始まり。
「手間が増えて大変だとはじめ難色を示したため池の管理者も勉強会を通して『いつも何気なく見ているため池の堤体にこんな希少な植物が数多く生えているんだ』と理解を示すようになり、地元の人たちの協力のもとに進めることができるようになった」と関田さん。
ため池を管理している農家組合や財産管理組合、自治会が中心となり住民らに呼びかけ、マーキングした希少植物の移植作業を行い、田中准教授や学生たちが移植した植物を記録。
耐震工事前に堤体の希少植物と表土を掘り取り、一時的に待避させ、工事後に元の場所へ表土戻しと植物を埋め戻す作業を行った。
これまで保護活動を行ったのは手洗池(古安曽)、不動池(手塚)、塩吹池(保野)、山田新池(山田)、幕宮池(別所温泉)、浅間池(下之郷)、北ノ入池(富士山)、桝池(吉田)、北原新池(生田)。
関田さんは「上田は全国に先駆け、ため池工事が行われてきた。希少植物の保護活動で得られた知見を上田モデルとして全国に広げたい」と話した。
同法人代表理事で神戸大学大学院人間発達環境学研究科の丑丸敦史教授(55)は、賞状を受け取り「健太におめでとうございますと言いたい」と昨年5月に亡くなった田中准教授に受賞を捧げた。
ともに草原を研究した仲で大学院時代の後輩でもあった。
「彼の案内で訪れた上田のため池には初めて見た植物が数種類生えていた。ため池は築造年数がわかっていて年数ごとにどのくらい種類がいるか比較できるのが素晴らしい発見だった。年数が増えるほど日本中で見られない植物がいる。100年経ってもまだ若く、400年まで多様性が上がり続ける。そんな生態系がここにあるんだと彼がいなかったら気付かなかった」と丑丸教授。
ため池の堤体のように「人間が同じ管理をずっとし続けていると、ものすごい生態系が同じ状態で維持される。そうなったときにはじめて見られる生き物たちがものすごい数あるんだと。もしかしたら我々は草原という生態系を生態学者として過小評価してたんじゃないかと気付かされた」。
「彼が守りたかったものを100年後の人にみせてあげたい、100年後の人がみたら価値があるって思ってくれるとぼくらは信じている」と話していた。



