上田市の環境市民団体「ヤマンバの会」と東大大学院農学生命科学研究科の附属演習林樹芸研究所長、齋藤暖生(はるお)さんが「研究や活動について発表」し「意見交換」を行う! ☆戦争に使われた「松根油」に着目した研究
テーマ:上田市ニュース
◆講演する齋藤さん


上田市の環境市民団体「ヤマンバの会」と東京大学大学院農学生命科学研究科の附属演習林樹芸研究所長、齋藤暖生(はるお)さん(48)が上田市で、それぞれの「研究や活動について発表」し「意見交換」を行った。
同会は、第二次世界大戦末期に戦闘機などの燃料を作るため、松脂を採取した痕跡が残る松について調査、研究している。
齋藤さんは森林・人間関係学が専門で2021年から、大戦末期の松根油に着目した研究に取り組んでいる。
市上田情報ライブラリーで開いた交流会で齋藤さんはこれまでの研究成果と今後の展望について講演。
太平洋戦争末期の松根油増産政策について、(終戦前年の)1944年10月の年間生産目標は16万キロリットル、45年3月は44・5万キロリットルで開戦前の実績の100倍を超える目標が設定され、各地方ごとに生産が割り当てられたとした。
軍部で松脂の期待は少ないと認識していたにも関わらず、松脂採取が行われたことについては▽伐採して掘りとることに抵抗があった▽労力がまかなえず学童や女性、老人が従事した、という仮説を立てた。
「軍事関連資料の意図的な廃棄によって資料の入手が困難なので、市民の皆さんと一緒にやることで埋もれてきた史料や記憶を発掘できる。歴史を紡ぐ実践者が市民だからこそ市民の中に歴史が残るという意味でヤマンバの会の活動は意義深い」と述べた。
ヤマンバの会事務局長の村山隆さん(79)=上田市下之郷=は20年余に及ぶ活動について報告し「我々は松脂採取松の問いかけを誠実に聞き届けてきた。いくつもの困難はあったが大学生や高校生との連携で世論を形成し、コカリナや絵本の制作など文化創造活動を展開してきた。全国で活動する団体が集う松脂戦跡サミットを上田で開くのが夢だ」と語った。
齋藤さんは取材に「生身の人間が戦跡の現場に立って、語り継ぐ活動が絶えず行われることで歴史は継承される。リアリティーを持った自分ごとの歴史として伝えていくことが大切だ」と話した。



