上田市の第三中学校の2年生が世界遺産の薬師寺、執事の松久保伽秀さんの法話を聞く!「国宝薬師寺東塔を支えた瓦~長野県からの思い」
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上田市中央北、市立第三中学校の2年生は、奈良、京都への修学旅行を前にこのほど、世界遺産で奈良県奈良市の薬師寺執事の松久保伽秀さん(56)の法話「国宝薬師寺東塔を支えた瓦~長野県からの思い」を聞いた。
薬師寺は、2009年(平成21年から12年をかけて国宝の「東塔」の解体修理を実施。
その際に裏面に長野県内308校の学校名が、へら書きされた瓦が見つかった。
これは1951年(昭和26年)に屋根の葺き替えをした時、奈良県国宝保存連盟の呼びかけに応え、長野県内の小中高校生による募金によって寄進された瓦。学校単位の寄進は長野県のみだったという。
薬師寺は、解体修復で再使用されなかった瓦を刻まれた校名の学校に返還。
同校にも1枚が「里帰り」し、現在は2年生の教室の廊下に展示されている。
松久保さんは「東塔から降ろされた3万3600枚の瓦のうち、へら書きがあったのは4815枚で長野県の学校の瓦は345枚。募金活動が行われた昭和27、28年は戦後間もなく金銭的にも大変だった時代。児童生徒の自主的な活動で集まった70万円はいまの価値では2000万円にもなります」と説明。
「薬師寺1300年の歴史を支えたのは70年前の皆さんの先輩。たとえ三中の建物や運動場が変わっても先輩から続く思いは変わらない。これから人生の選択に迫られた時は三中の精神を思い出してほしい」と語りかけた。
法話を聞いた宮本珂奈さんは「歴史好きなので楽しく話を聞いた。募金をした人がもしかしたら地域の身近なところにいるかもしれないと思うと、薬師寺が自分にとって近く感じる。修学旅行で薬師寺に行くのが楽しみです」と声を弾ませた。
松久保さんは、依田窪南部中学校と上田市立第二中学校も訪問した。