上田市のARECが「脱炭素経営研究会」を立ち上げ! ★オンラインでキックオフの会合を開く。60社が参加
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上田市常田の浅間リサーチエクステンションセンター(AREC・エーレック)は「脱炭素経営研究会」を立ち上げた。
このほど、信州大学繊維学部内のARECとオンラインで「キックオフの会合」を開いた。
AREC会員企業以外にも参加を呼びかけ、オンラインを含めて60社が参加した。
ARECの岡田基幸センター長は、会場に50人以上が集まるのはコロナ禍で3年ぶりとして、ARECの四半世紀の活動を振り返り「産学官連携で緩やかな交流と、個々の会員への対応を行ってきた。昨今の情勢の変化から一歩踏み込み、ARECとして持続可能な社会の構築と、地域産業の発展のまとめ役として、脱炭素経営研究会を発足させた。環境の話は10年ほど前、重要なのは分かるが目先のことで精いっぱいだったが、数年前からSDGsや環境は新卒採用につながるとの認識にもなり、現時点では見返りがなくても、持続可能な社会の構築は待ったなしで、企業の生命線だと話す経営者もいる」とあいさつ。
研究会の運営は上田市の地方創生実践プラットフォーム基盤強化事業の支援で行うため、会費はない。
ARECの産学連携コーディネーターの宮坂秀明さんが、経過で昨年12月に脱炭素経営研究会のアンケートを行い、参加するとした10社で準備会を開き、研究会スタートを決めたことを説明。
会長には、日置電機㈱の水出博司さん、副会長には長野計器㈱の長坂宏さんと山洋電気㈱の宮原章雄さん、幹事なども紹介した。
水出会長は「持続可能な社会、脱炭素は喫緊の課題。2050年カーボンニュートラルは世界の目標だが、何をすれば良いか迷っている皆さんがたくさんいる。一緒に研究会を活用してほしい。2023年3月期以降の有価証券報告書にサステナビリティ情報を入れることが求められるなど、企業の体制は整っていない中で、どんどん外堀が埋まっている状態。一緒に対話をしながら研究会を進めたい。多くの皆さんに参加してもらいたい」と語った。
★研究会は▽企業間連携、行政との連携、教育機関との連携の場▽意見交換や自社の地域活動へのアイデア出しなど、交流の場▽気候変動リスクにおける考え方の支援の場▽エネルギーの地産地消化への意見交換、企業、行政、教育機関への提案▽セミナーやフォーラム▽最新情報のアップデート▽研究会からの提案と発信―などを行う。
基調講演は「脱炭素に向けた取組事例と展望」で信州大学繊維学部の村上泰教授が行った。
村上教授は、企業の持続的な成長のため必要と言われている環境対策・社会課題への取り組み・企業統治のESG対策について「必要なのはESG対策ではなく、価値の追求。環境対策をしてもハードルがどんどん上がる。支出ばかり出て収入が増えず、一生懸命に行ってもジリ貧になってしまう。おすすめしているのは、環境対策ではなく、決めたものを売れるところまで売り、そこで上げた利益を、どのように価値の追求に投資するかが問題」と語った。
売れているものの世界一を目指し、今までにないものを生み出すデザインシンキング(ユーザーにほしいものをよく聞いて共感、異なる要素を結合させる、試作を繰り返しながら考える)を解説。繊維などのリサイクルなどについて世界的な状況、問題点などについても語った。