ニュースの力で地域を良くする新聞社
東信ジャーナル

新聞購読のお申込みお問い合わせ

◇おことわり/催し等は新型コロナウイルス感染症対策のため中止または延期の場合がございますので主催者等にご確認ください。

日本水彩画会上田支部長、月野貴久さん(88)=東御市県= 「心洗われるような鮮やかな色魅力」

テーマ:ひと

【漁船を描く月野さん】
【「春陽」】

 「透明水彩は発色がいい。心が洗われるような鮮やかな色が魅力です」と日本水彩画会上田支部長の月野貴久さん。

 同支部には上田地域の愛好家29人が所属し、毎月1回例会を開く。「互いに個性を認め合いながら制作しており、仲間と一緒に活動するのは楽しい。和を持って長く活動を継続していくのが最大の目標です」。
 「芸術を通じて地域社会に貢献したい」という思いが強い。
今年2月には、初の試みとして上田市役所2階のまちのアトリエでワークショップを開催し、水彩画の魅力を広く発信した。
 4月5日からは上田創造館で上田支部展(公募展)を予定する。

 横浜市出身。
 戦況が悪化した国民学校初等科5年の時に一家で北海道に疎開し、高校までを過ごした。
 大学進学を目指して上京、苦学をして卒業したが「東京の雑踏はもういやだ」と、上田市に製造拠点を移したばかりの都内の会社に就職を決めて長野県内に移住した。

 定年退職後に水彩画を始めて4年後、全国公募の日本水彩展に初めて挑戦し入選。それ以降は漁船などをテーマに毎年出品を続けた。昨年は雪解けの水たまりに姿を写す白馬鑓ヶ岳を描いた「雪解」(60号)を出した。
 自宅の日当たりのいい廊下で筆を執る。描き始めると熱中し「目と頭、手の3つが一体となる集中状態が、健康にもいいと思っている」という。
 「自分の思いこみで作った絵は認められない。絵は皆に理解してもらって初めて価値がある。見ていただいた人に喜ばれる絵を目指しています」と話す。