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上田市が「施設使用料」受益者負担に基本方針案を策定へ!行財政改革推進委員会で説明。パブリックコメントも

テーマ:上田市ニュース

【上田市行財政改革推進委員会】

 上田市は「受益者負担のあり方の基本方針」を今年度中に策定する。
 これは、市が設置する施設の使用料などについて、これまで統一された料金算定の基本的な考え方や方法などがなかったことから。 
 このほど、上田市役所で開いた上田市行財政改革推進委員会で基本方針案を説明。委員から多くの意見があった。
 市民からも意見を求めるパブリックコメントを12月15日まで行っている。

 今回の「行財政改革推進委」=14人=は、第8期の初回だったことから、委員に人事通知書の交付を行った。
 会長に前期に副会長だった岩木功氏、副会長に山極一雄氏を選出した。

 上田市の施設使用料は、市町村合併前からの引き継ぎや、ほかの自治体にある類似施設の料金を参考にしたり、見直しがないまま長年据え置きが多いという。
そのため、使用料・利用料金、市側の負担・公費について、妥当性や有効性などが判断できず、利用する人としない人との負担の公平性を確保するため、市民に理解が得られるように基本方針を策定する。

 市の示した案は、負担の公平性、算定方法の明確化、受益者負担と公費負担の割合、原則5年ごとに見直すもの。
ただし、国などが基準を示す保育料や市営住宅などは法令によるものにし、駐車場など民業圧迫の恐れのあるものは、個別の事情で検討できるとした。
 見直しについては、指定管理者制度のあるものは、指定管理者の期間中には原則行わないとした。

 受益者負担割合は、民間によるサービスが困難な公共的サービスは負担割合を低くする。
民間でもサービスが可能な市場的サービスは負担を高くする。
 さらに市民の大半が必要とする施設は公費負担を高くし、人によって必要性が異なる施設は受益者負担を高くする。
負担割合は100%、50%、0%の設定。
受益者負担が0%は子育て支援センターや高齢者福祉センターなど。50%は公民館や会議室、文化・スポーツ施設など。
0%は温泉施設や霊園など。

 料金算定は、施設取得などを含めない施設使用に係る人件費や物件費、維持補修費などの維持管理経費「管理コスト」を、受益者と公費でどのような割合で負担するかを算出するもの。

 会議室やホールなどは、まず、管理コストを施設全体の貸し出し面積や年間の開館時間で割り、1㎡当たりのコストを算出。
そこに貸し出す会議室などの面積と、貸し出し時間で会議室などのコストとする。最後に受益者負担割合を掛けて料金となる。

 博物館やプールなど複数人が同時に利用する施設は、1人当たりの料金を算出する。
管理コストに、受益者負担割合を掛けて年間利用者数で割った数を「基準単価」とする。
そこに現状で利用者が支払っている1人当たりの負担額(現状の収入額÷年間利用者)を割ることで、基準単価とどのくらい違っているかの倍率が算出される。
1人当たりの料金は、現在の料金と算出された倍率を掛けることで求める。

 これらの計算方法で施設ごとに算出すると、公民館などによって金額の差が生ずるため、同種・類似の施設は均衡を図るため、施設をグループ化して計算できることを加えた。

 計算した例として、中央公民館など7公民館をグループ化すると、1㎡当たり時間のコストは12・84円。それを基にして料金を計算すると、中央公民館大会議室午前の現状使用料との差は1・20倍となった。

◆そのほか
 ▽改定が必要になる場合は、急激な変動を防止するため、1・3倍の範囲にする
 ▽市民以外の利用が特に多い場合は、料金に差を設けられる
 ▽曜日や時間帯で施設の管理経費に大きな違いはないため、原則同一料金、1時間当たりの単価で料金を設定
 ▽空調・照明などの料金は、利用状況を踏まえて料金に一本化。付属器具は個別に料金設定できるーなど。

 減額や免除については、原則は減免しないことを基本とする。
市の主催や共催の公益性があるものと比較し、施設利用に公益性があるか、当該団体の負担能力から支援が必要かなどで判断。
減免率は、100%と50%の2種類。
自治会や農協、商工会など公共的団体などが公益的な活動する場合は100%で免除となる。

◆基本方針案の説明に対し、委員からは
 ▽5年ごとの見直しの根拠は▽公共性の判断は
 ▽市民活動を盛んにしたのか、どうなのか市のビジョンは|などさまざまな意見があった。

 パブリックコメントのため、市ホームページや市役所行政資料コーナーなどで資料が閲覧できる。
提出方法などはホームページや市広報に掲載している。

 行財政改革推進委では、使用料以外に、上田市公共施設マネジメント基本方針改訂案に対する市民から寄せられた意見40件。
その対応について報告があった。

人口減少など公共施設の縮減が今後必要となる中で、委員からは、施設を廃止する場合の基準の必要性を訴える意見などがあった。