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「極道の妻(おんな)たち」「山田美沙サスペンス」「金田一耕助シリーズ」など数々の名作を生み出した関本郁夫監督(81)が「映画監督放浪記」を出版!

テーマ:新刊情報

【小学生による体感用風穴案内】

 半世紀にわたり映画、テレビドラマの監督として活躍している関本郁夫監督(81)が「映画監督放浪記」を出版した。
 関本監督は「極道の妻(おんな)たち」「山田美沙サスペンス」「金田一耕助シリーズ」など数々の名作を生み出した。

 本は、半世紀にわたる監督人生が500ページを超えるドキュメントとして綴られている。

 「およう(2002年)」の撮影時に上田市出身の知人らから紹介された市内の古民家で春から秋まで暮らす監督は、1942年京都で大工の長男として生まれた。
 伏見高校建築科卒業後東映京都撮影所に美術助手として就職。
 当時の東映は、東大など一流大卒しか監督になれず「高卒の大工のせがれ」などとそしられながら、10年余の助監督を経て監督になった。

 「大工監督」と揶揄されながら撮った第一作は「女番長(すけばん) 玉突き遊び(1974)」。
 主演女優が撮影中の事故で中断する不運に見舞われるも、クランクアップにこぎつけ、新鮮な作風から脚光を浴びた。
 80年代からは映画とテレビで名作を量産する。

 映画界には「職人監督」という言葉がある。
 自己主張などを作品に出さず、題材やキャスト、予算など与えられた条件の中で最善を尽くす。完成した作品全編には強く漂う作家性がある作品を生み出す監督のことだという。

 監督は「作家」としての才能と卓越した「人事管理能力」の二つが必要だと話す。
 建築を学んでいた高校の頃、男ばかりの中で女学生と話すために文芸部に入り小説を書いた。
 東映入り後は、一流大卒のライバルに勝つためにシナリオを書いた。  
 これが天性の文才を鍛え、厳しい環境を生き抜くために人心を掌握する天性を磨いた。
 まさに「職人監督」としての発露である。

 発行書は、小学館スクウェア。
 市内の書店で発売中。
 定価4950円(税込)。