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「輝クロニクル第一期展」(3月10日まで・上田市別所温泉の色の詩人池田輝「美術館ギャラリー輝」)

テーマ:お知らせ

【「芸人の対話」などを展示した館長の髙瀬さん(左)と
館主の池田さん】
【「対話」】

 上田市別所温泉の画家、池田輝さん(1932年~2005年)の作品を展示する色の詩人池田輝の美術館ギャラリー輝は「輝クロニクル第一期展」を開いている。

 池田さんは、小県郡神川村(現・上田市)で、農民美術の初代中村實の三男として生まれた。
 岡鹿之助が指導した鹿苑会で腕を磨き、信州大学教育学部美術科を卒業後は、長野県内の小中学校で教鞭を執りながら春陽会に出品した。

 今展は、上田市立美術館と東御市梅野記念絵画館が同時開催している「上田クロニクル(年代記)」にあわせて企画。

 池田さんの画業を3期に分け、本格的に油絵を始めた25歳から春陽会準会員となった39歳までの大作10点と、小品24点を展示した。

 高校時代から油絵に取り組んでいたが貧しくて思うように画材を調達できなかったという池田さんは、25歳で教職に就き、26歳で結婚。
 それ以降は惜しむことなく絵の具を乗せて描くようになった。
自宅和室の畳3枚を上げてアトリエにし仕事を終えた夜や休日は制作に没頭した。
 「家族に相談もなく、受け取った給料を全部持って北海道にスケッチ旅行に行ってしまった」という逸話もあるという。

 長女で館長の髙瀬麻美さん(63)は「小品は目刺しや近隣の風景など身近なものを手当たり次第に題材にし、描きたい気持ちがあふれている。技巧に走らず思うままに絵の具を乗せており、絵を描く自由を手に入れた溌剌とした感情が伝わってくる」と話す。

 39歳で春陽会に出品し準会員推挙となった「芸人の対話(F120)」はサーカスとその裏舞台を哀感を持って描いたストーリー性のある作品。
 同時出品の「対話」(同)は、男女2人を浮かび上がらせる空間の黒が印象的だ。

 池田さんの長男で館主の池田敏郎さん(64)は「50年の時が経っても、このころの父の意気込みや勢いを感じる。いまになると改めてすごいなと思います」と述べた。

 3月10日まで。
 開館は土、日曜日の午前10時から午後4時。
 入館料300円。中学生以下は無料。
 (電話)070・8476・2573(ギャラリー輝)