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講演会「移動企画シリーズ第12弾 茅ヶ崎純水館ものがたり~糸もつくるが人もつくる」(6日・小諸市市民交流センターステラホール) ☆小諸市のNPO法人「糸のまち・こもろプロジェクト」

テーマ:お知らせ

【糸のまち・こもろプロジェクトと名取さん】
【純水館正門の復元絵画(画・森上義孝さん)】
【小山房全(房全追憶録より)】

 小諸市のNPO法人「糸のまち・こもろプロジェクト」は7月6日、蚕糸業などに関する講演会「移動企画シリーズ第12弾 茅ヶ崎純水館ものがたり~糸もつくるが人もつくる」を同市市民交流センターステラホールで開く。 
 時間は午後2時から、参加無料。

 同法人は、蚕糸業をはじめとした小諸の産業遺産を発掘し読み解き、まとめることを目的に発足。さまざまなイベントを開催して発信し、郷土に誇りを持ってもらうことにつなげ、地域活性化に寄与することを目指す。

 移動企画シリーズは毎回内容を変えて市内各地で開催してきた。
 今回のテーマは、神奈川県の茅ヶ崎にあった敷地約1万2000坪の大製糸工場「純水館茅ヶ崎製糸所(茅ヶ崎純水館)」と、小諸の小山家当主・小山久左衛門の娘婿で同工場館長の小山房全(1882─1935)。

 講演会講師は、茅ヶ崎純水館研究会の名取龍彦さん。
 同会(日下部雅彦会長)は、純水館に関する学習を通して、会員や茅ヶ崎市民の郷土愛を醸成することを目的に活動している。

 学び講座や講演などで継続的な学習の機会を創出するとともに、ホームページにも多くの情報を掲載。
 名取さんは、タウンニュース社発行の地域情報紙「タウンニュース茅ヶ崎・寒川版」で関連連載コラムを担当し、茅ヶ崎純水館や房全の歴史から、小山一族会、久左衛門や工藤善助、島崎藤村や小山敬三まで、多くの情報を発信してきた。

 講演会当日は、茅ヶ崎純水館の200分の1再現模型を用意し、敷地内の設備などをスクリーンに映しながら歴史を語る予定。

 名取さんは「茅ヶ崎純水館や房全館長について調べ、とても偉大な歴史があることが分かった。ただ、茅ヶ崎での知名度がまだまだ低いため、会では研究や発信の活動を行っている。糸のまち・こもろとは、郷土愛醸成など目的が同じ、今後も協力していきたい」などと話していた。

◇  ◇

 小山久左衛門は小諸に製糸場「純水館」を設立するとともに、小諸商工会議所初代会頭や教育者として小諸の発展に大きく貢献した人物。

 小山房全は、丸子出身で依田窪地域の製糸業の基礎を築いた工藤善助(依田社社長・国会議員)の次男。
 久左衛門の長女喜代野と結婚し、小山家の婿養子となった。

 久左衛門は大正6年、ゆかりの合った茅ヶ崎で茅ヶ崎純水館を創業。茅ヶ崎純水館は、小諸の純水館からは独立した経営が行われ、房全が館長として腕を振るった。

 茅ヶ崎純水館の生糸は全国一の品質と言われ、他に先駆けてアメリカに輸出されている。また、皇太子(後の昭和天皇)の成婚に際し、全国から集められた繭で繰糸し、皇室に献上した。

 房全は生糸生産だけでなく、工場内教育や福利厚生の充実に努め、「糸もつくるが人もつくる」と評価されていたという。
 また、製糸業界が苦難の時代に神奈川県製糸同業組合長を務め県下蚕糸業界の発展にも尽力。
 社会教育活動、信用組合や商興会の設立にも携わり、茅ヶ崎の発展に貢献した。

 茅ヶ崎純水館は、関東大震災による全壊などを乗り越えて事業が続いたが、時代の変化などの影響があり昭和12年に廃業となった。