小諸蚕糸業関連の史料を展示する「民間で始まる蚕糸業ものがたり」(3月1日まで・市立小諸図書館)小諸市などの有志でつくるNPO法人「糸のまち・こもろプロジェクト」
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小諸市などの有志でつくるNPO法人「糸のまち・こもろプロジェクト」は、2月3日から3月1日、小諸蚕糸業関連の史料を展示する「民間で始まる蚕糸業ものがたり」を市立小諸図書館で開く。
同法人移動企画シリーズの第6弾。
同市市民活動促進事業補助金活用事業。
今回は、同図書館の持ち込み企画展示募集制度「小諸図書館つながLIB」を利用して実施する。
注目の展示は、昨年2月に取り壊された六供の製糸工場「純水館(丸純工場)」の事務所などから搬出された資料の目録。
事務所には、台帳、決算書、表彰状、各文書、備品など膨大な資料が保管されていた。
同法人は可能な範囲で譲り受け、同法人メンバーの土屋敏幸さんが整理している。整理作業はまだ続いているが、途中経過の目録をまとめ、展示する。
同じく搬出で、新たに見つかった純水館の「生糸商標」も展示。
生糸商標は明治から昭和にかけて、各生産者が生糸を出荷する際に付けた、品質を証明するラベル。
特に輸出時に使われたといい、デザイン性が高いものも多い。
このほか、純水館生産グラフ、小諸鳥瞰図、現存する事業者も数多く掲示されている昭和の電話票、市内で行われていた蚕糸業の写真、渋沢栄一の小諸での講演記録などを展示。
また、純水館社歌資料などの配布もある。同図書館は展示内容にあわせて、渋沢栄一関連の書籍などを紹介する。
同法人は約40人で活動。
小諸の製糸業関連の歴史と資料を調査するとともに、その結果を市内各地で展示して多くの人に伝えている。
同補助金の活用や過去の活動の収益で配布物を制作してきた。
清水寛美理事長らメンバーは「かつて小諸は経済の中心地だったと言える。労働者も含め、他の地域から多くの人が訪れており、『憧れの町』だったと思う。移動企画で多くの人に知ってもらうと同時に、新たな発見や出会いを通じて歴史の全体像がより明確になることに期待している」と話している。