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小諸市の小諸宿本陣主屋で「歴史展示館」として”最後の公開イベント”を開催(18、19日)! ★秋以降、長野市の株式会社藤屋が飲食店として活用。

テーマ:お知らせ

【小諸本陣主屋】
【上段の間】

【小泉市長(右から2人目)と藤井社長(同3人目)ら】

 小諸市のNPO法人こもろの杜は18、19日、大手門公園内の小諸宿本陣主屋で、同法人が運営する「歴史展示館」としては最後の公開イベントを開く。
 本陣主屋は秋以降、長野市の㈱藤屋が飲食店として活用する。

 この建物は江戸時代、北国街道小諸宿本陣で、加賀藩前田家など各地の大名や京都の公家などが利用した。
 明治時代に佐久の桃源院に移築されたが、平成7年に小諸市に寄贈され、もとの場所に近い現在の場所に再建。
 内部は、かつての本陣の佇まいが復元されている

 同9年から17年は歴史資料館として公開されたが、利用者が少なく閉館。
 同24年からふたたび活用が始まり、この翌年から同NPOが指定管理者となった。
 作品展やイベント参加、カフェ運営、各種体験講座など行われ、創作作品の作家やファン、歴史好きの市民や観光客に親しまれた。

 令和3年には歴史展示を充実させ「小諸宿と本陣の歴史を伝えるガイド」や「イベント」に力を入れるようになったが、今年3月で閉館が決まった。

 今後は運営が切り替わり、秋にはレストランとしてオープンする。

 最後の公開イベントでは、北国街道小諸宿や本陣の歴史案内、お茶などのふるまい、10年間のスライドショーを行う。
 また、タンス、籐のイス、漆器といった備品や、着物の販売がある。

 こもろの杜は「本陣としては見納め。大名や公家が利用した上段の間など見所もあるので、ぜひ訪れてもらえれば」としている。

◇  ◇

 長野市の㈱藤屋は秋頃、小諸市が所有する小諸宿本陣主屋でレストランを開業する。
 小諸ならではの良さや歴史を生かした施設としてリニューアルする方針。
 同社は、江戸時代初期の1648年に善光寺門前に「御本陳藤屋旅館」として創業。
 旧北国街道善光寺宿の本陣として長い歴史を有し、加賀藩前田家など各地の大名が宿泊。
 近代には、各界の著名人や名士にも愛されたという。現在は、善光寺門前のレストラン・結婚式場「THE FUJIYA GOHONJIN」をはじめ、飲食店やウエディング事業な展開している。

 市は一昨年頃から、本陣主屋のさらなる誘客を図るため、飲食店として活用する検討を開始。
 市がこれまでも重視してきた「にぎわい」や「人の流れ」の創出をいっそう推進する目的だった。
その中で、歴史に加え事業実績やブランド力を有する同社を誘致し、事業が具体化した。
 事業費は、約半分は国の交付金を活用して用意し、残りは同社が投資する。

 小泉俊博市長は「多くの人が楽しんでくれる施設になることに期待。本陣主屋の食事をきっかけに、小諸ならではの魅力にふれてほしい」。
 
 同社の藤井大史郎社長は「ただ単にレストランとして運営するのではなく、近隣の方々や今まで建物を大切に保存してきた方の思い、新たな観光拠点、この場所にまた行きたい、連れてきたいと思えるような場所としての価値を高めていければ」と話している。