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<職人> 箏 中川祐一さん(40)=東御市新張= ★「もの」だけでなく「音」を作る!

テーマ:ひと

 東御市内にある工房で、伝統和楽器の箏を製造している。
あわせて、箏の立奏台や、端材を使ったアクセサリーも手掛けている。

 辰野町出身、高校卒業後は東京で働いていた。
昔から何かを作ることが好きで、東京で暮らしていた時期も漠然と、将来はものづくりの仕事がしたいと考えていた。

 20代後半の頃、東御市内に箏職人がいることを知った。
すぐに、その職人に電話をかけ、弟子入りを志願。
この時、現代において生業として箏職人を選ぶことの難しさも伝えられた。
 しかし「厳しくてもいいからやる」と決意した。

 弟子入りが決まると、東御に移住し、箏職人の道に足を踏み入れた。
師匠の仕事を一から学び、伝統技術を身に着けていった。
 アルバイトで生活費を稼ぎながら、修行に励んだという。

 現在、弟子入りから十数年が経過し、修業はひと段落ついている。
上田市内の福祉施設で働きながら、休日などに箏づくりを続けている。

 加えて、クラフトフェアなど、長野県内外のイベントに参加するなどして”箏の魅力”を伝えている。

 これまでを振り返り「伝統を残したいと考え、箏づくりを続けてきた。『もの』だけでなく『音』を作るという奥の深さに魅力を感じる」。
 今後について「自分はまだまだ未熟。さらに腕を磨き、その後は次の世代に文化を引き継いでいければ」と話す。