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石黒嘉子さん(89) =上田市= 半世紀もの間、油絵を描き続ける!「自分の気持ち表す抽象的な絵も描きたい」

テーマ:ひと

【自宅のアトリエで絵を描く石黒さん】
【石黒さんの作品「縄文のエaネルギー」】

 「自然をよく見るようになり、何を見ても描きたいと思います」。
 上田市上田の石黒嘉子さんは半世紀もの間、油絵を描き続けている。
 89歳になった現在も、自宅2階のアトリエで毎日のようにキャンパスに向かっている。

 一昨年、2021年4月には、安曇野市に住む長女の岡田浩子さんの織と孫の岡田原さんの写真、石黒さんの絵画を展示する「Family展」を上田市のサントミューゼ多目的ルームで開いた。
 石黒さんの米寿を祝って浩子さんが企画した。

 絵を描くようになったのは30代のころ。
 佐久に住む友人宅に子どもを連れて遊びに行った時のこと。
 友人の子どもが「おばあちゃん(友人の義母)が描いた絵を指さして「これ、おばあちゃんが描いたの」と言った。
 その時「私も孫からこんな風に言われるような絵を描いてみたい」と思ったのがきっかけだった。

 子どもが小学校2、3年生になったころ、上田市の山本鼎記念館で絵画教室の生徒を募集した。応募して子連れで通った。
 その後、先生がいない仲間だけの絵画の同好会「彩友会」に入り、仲間とともに絵を描いた。
 10年経ってから同市古安曽の大井喜久先生が主宰する絵画教室「アトリエ・アーソー教室」に入って学んだ後、仲間でつくる「木の会」に入った。
 現在は、木の会と米津会で仲間とともに楽しいひとときを過ごしている。

 展覧会には長野県展や、上小美術展(現・東信美術展)などに毎年出品している。
 上小美術展では50号の油彩画「祭りの日」が奨励賞を受賞した。

 の描く題材は、裸婦などの人物から静物、風景など多岐にわたる。
 「これからは童画のような自分の気持ちを表す抽象的な絵を描いてみたい」。夢はまだまだ進行中。

 米津会で指導する信州美術会会長、二紀会参与の米津福祐さんは、石黒さんの絵について「優しい愛に満ち、相手を慈しむ『滋味』を感じる」と評する。