NPO法人てまサポ(設立準備中)代表発起人、横山清春さん(60)=上田市塩川=「情報格差を生まない地域づくり」
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横山清春さんは、上田市長瀬で一口腔単位技工館を営む歯科技工士。
自動車が大好きで、当初は修理工場を経営したいと考えていた。
だが、オイルショックで自動車産業は衰退産業になると諦め、方向転換し料理好きでもあったことからアルバイトで美ヶ原のレストランで働き、ベンションのオーナーシェフになろうとした。
そのための資金集めとして始めたのが歯科技工士だったという。
松本歯科大学衛生学院(当時)を卒業し、上田市内の歯科医院に就職し11年。
歯科技工士として学会での発表も数多く行うなど腕を磨き、院内で歯科技工所を開業するまでになった。
歯科技工士としての顧客も数多く抱えるようになり、院内での開業2年後に独立した。
当初は、同市塩川にある自宅の一角で営業していたが、業務の拡大に伴い現在地に会社を構える。
一口腔単位技工館とは聞きなれない商号・会社名。
これは、歯科業界の医療で使われる詰め物や被せ物の製作は、分業化が進んでいる。
それぞれの人の口の中を、1単位でベストな設計製作することで健康な身体を保つことが出来るとの考えから命名したもの。
事務所は歯科技工所でもある。
研究用の動物の歯形やナウマンゾウの歯の化石まで様々なものにあふれ、さながらおもちゃ箱のようなラボラトリー(研究所)になっている。
今は、歯科衛生士の奥さんと二人三脚で忙しい日々を送っている。
横山さんが現在取り組むのは、情報格差を生まない持続可能な地域づくりを目指すために20人ほどで進める高齢者向けにスマートフォン基本操作、便利なアプリ紹介、写真の撮り方などを学ぶ交流会の運営を行う「NPO法人てまサポ(設立準備中)」の活動。
設立を決めた、きっかけは、スマホ普及率の高さの一方で、その使い方が分からず横山さんに直接聞きに来る高齢者が、かなり多かったことから。
今年度の上田市支援金事業に採択された。
電子決済割引など各種サービスのデジタル化が進む中、スマホなどの情報機器の知識の有無で、暮らしやすさなどに差を生まない地域づくりを目指して自治会単位などで「交流勉強会」を、継続して開催している。
将来的には、自主的に教え合うような地域コミュニティの場としても活用したいと考えている。
てまサポは出来ることを出来る範囲で、ちょっとだけ背伸びして市内の高齢者が情報社会に埋没しないよう”手間(てま)”を、おしまずサポート。
「交流会で成功実例をつくりたい」と横山さんは力強く話す。
持続可能な地域づくりのイノベーター(改革者)だ。
スマホ交流会開催についての問い合わせは(電話)090・3083・4563(横山さん)まで。