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(株)キャステク=青木村= 増田公男社長(80)「ギガキャスト」の試作に成功!

テーマ:青木村ニュース


 青木村の合金鋳造、加工、組立を生業とする(株)キャステク。
 同社の卓越した技術は国内一流メーカーを唸らせる。
 それは今もなお最前線に立ち、お客の要望に応えるために挑戦し続ける増田公男社長の存在がある。
  同氏の仕事にかける思いなどを聞いた。

 増田社長は同社に1960年(昭和35年)入社。
 2012(平成24)年、社長に就任した。
 「先輩に負けたくない一心で仕事に励み、駄目なところは徹底的に研究し、技術を磨いた」と入社当時を振り返る。
 「メーカーから相談を受け、やったことがなくてもまずやる。挑戦してみる。不都合な所は改善し、絶対に完成させるという信念をもってやり遂げる。これは自分に対する意地でもある」。
 入社以来、鋳物一筋64年、数々の経験と試練を乗り越えて技術を蓄えてきた。
 その技術の素晴らしさは、昭和48年、科学技術庁長官賞(鋳物鋳造作業工程の改善)を初め、平成21年、信州の名工、平成22年、現代の名工、平成29年、ものづくり大賞 NAGANO特別賞受賞など数々の受賞が物語る。
 こうした仕事に対する前向きな姿勢と長年の努力の結果「どこでも出来ない難しいモノはキャステクに行けばやってくれる」と業界で言われるようになり「難しい問題を解決するため努力をする会社」としても知名度を上げた。
 今では一流の会社が一流の会社を紹介してくれるようになり、営業をしなくても訪ねてくれるようになった。

 〈ギガキャストを国内初の試作に成功〉
 昨年、車業界で話題となった自動車の車体部品をアルミニウム合金で一体成型する技術「ギガキャスト」の製造に日本の一流車メーカーと取り組み、試作を日本で初めて成功させた。
 メーカーから感謝され、品質、納期、コストも評価されて満足してもらった。

 〈今年の展望と抱負〉
 「昨年までに先行投資してきたさまざまな機械が一通り揃った。今年はその機械を使った収穫期と思っている。
 また、世界情勢や国内の動向を見極める必要はあるが、できたら、熱処理の機械を導入したい。実現すれば業界でほぼ互角に戦える。
 人材育成として銅、アルミ、鉄それぞれの部門の技術者を育てたい。育った技術者を主軸にした組織作りをしたいと考えている。
 
 〈社長の挑戦〉
 「当社には今、ベトナム人の社員が32人(女性3人、男性29人)勤務している。彼らの壁は言葉だ。彼らは日本語で話すよう努力をしているが、自分たちもベトナム語を覚えなければ」と、ベトナム語の勉強を始めた。
 社長自ら単語帳を作って社員にも配った。